象牙彫(読み)ぞうげぼり(英語表記)ivory carving

  • ぞうげぼり ザウゲ‥
  • ぞうげぼり〔ザウゲ〕
  • 装飾・装身
  • 象牙彫 ivory carving

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

彫刻を施す技術またはその作品。旧石器時代から始り,古代エジプト,メソポタミアで盛行した。その流れはエーゲ文明ギリシアローマ文明にも受継がれてヨーロッパ中世のゴシック象牙細工として開花し,聖堂内の小像,小箱,祭壇飾りなどに多く使われた。ことにバロック時代に入ると,その強い装飾性と豪華な点が時代の風潮に合致したため隆盛し,多くの牙彫作家を生み出したが近代工芸の始りとともに衰退した。

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百科事典マイペディアの解説

象牙を用いた彫刻,工芸の総称。色が美しく,きめが細かくて入念な細工ができるので古くから行われた。古代オリエント,ギリシア,ローマ,さらにカロリング朝,オットー朝時代になって写本の装丁板,聖器等の祭具に利用され隆盛。ゴシック期には聖母子の小彫像等も盛んに作られ,ゴシック工芸の重要な一部分を形成した。日本には中国の技法が奈良時代に輸入されたが,のちとだえ,江戸末期になってから根付に利用,明治初期にかけて牙彫(げちょう)と呼ばれて盛行した。

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世界大百科事典 第2版の解説

象やマンモスの牙で制作された彫刻。ときには他の動物の骨や角が用いられることもある。象牙は,耐久性があり細工しやすく,洗練された気品のあるその素材ゆえに,多くの地域,時代において,小容器,浮彫板,小彫刻などに用いられた。
西洋
 先史時代以来,マンモスの牙の表面に狩りの場面を刻んだり,豊穣の願いをこめて彫られた象牙女性像が制作された(〈レスピューグビーナス像〉,サン・ジェルマン・アン・レー美術館)。

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

関東地方、千葉県の地域ブランド。
松戸市で製作されている。江戸時代、象牙彫は根付として珍重され発達した。根付とは、印籠などのを帯に挟むとき、落ちないように紐のにつける留め具。現在では、根付をはじめ、茶器装身具などもつくられている。千葉県伝統的工芸品。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 象牙を彫って作った美術品。小彫像・浮彫・工芸品など。象牙の彫刻。牙彫(げちょう)
※江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉六上「象牙彫(ザウゲボリ)の根付で留め」

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世界大百科事典内の象牙彫の言及

【ビザンティン美術】より

…しかし材料の性質上,今日まで保存されているものは後期のものが多い。 以上に対して小彫刻ともいうべき象牙彫は,ビザンティン各期を通じて注目すべき発達をとげ,宗教図像(キリスト,聖母,聖人など)が盛んにあらわされ,また世俗的図像も見られる。これらは初期においていわゆる〈執政官のディプテュコン〉として多く用いられた。…

※「象牙彫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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