(読み)ボウ

デジタル大辞泉 「貌」の意味・読み・例文・類語

ぼう【貌】[漢字項目]

常用漢字] [音]ボウバウ)(漢) [訓]かたち
顔だち。容姿。「外貌顔貌がんぼう形貌相貌体貌美貌風貌面貌容貌
物のすがた。外観。「概貌全貌
[補説]「皃」は異体字
難読顔貌かおかたち

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精選版 日本国語大辞典 「貌」の意味・読み・例文・類語

ぼうバウ【貌・皃】

  1. 〘 名詞 〙 かたち。すがた。みめ。容貌。顔色。また外観。
    1. [初出の実例]「做之以事物理象皃似諸字」(出典:自然夏営道(1753頃か)大序)
    2. [その他の文献]〔史記‐仲尼弟子伝〕

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普及版 字通 「貌」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)皃
7画

[字音] ボウ(バウ)
[字訓] かたち・かお・すがた・あらわれる

[説文解字]

[字形] 象形
本字は皃(ぼう)。白は人の頭顱(とうろ)の形。〔説文〕八下に「儀なり。儿(じん)に從ふ。白は人面の形に象る」とし、重文二を録する。一は貌、一はに作る。頁(けつ)は礼貌を備える形。公に見えることを(頌)という。「頌儀」とはその際の儀容をいう。形の似たものを貌似という。〔逸周書、良夫(ぜいりようふ)解〕「王、貌して之れを受く」とは、外面だけの挨拶で、実意の伴わない意である。

[訓義]
1. かたち、かお。
2. すがた、ありさま、儀容。
3. かたどる、似せる、うわべ、みえ、あらわれる。
4. と通じ、みたまや。
5. (ばく)と通じ、はるか。

[古辞書の訓]
名義抄〕皃 カタチ・カホ/貌 カタチ 〔字鏡集〕貌 カヲ(ホ)・ミル・カタチ

[部首]
〔説文〕に皃を部首とし、(べん)をこの部に属する。はまた弁に作り、籀文は上部(そう)に作る。が弁冠の形である。また兜を皃に従う字として、白を人の頭に象り、皃と同じ意象の字とするが、白は兜の上部で兜(とうぼう)首鎧(しゆがい)、その鉢形の象で、これも皃の形義をとるものではない。

[声系]
皃はまたに作り、(ぼう)声に従う字に艸部・心部の字がある。艸部の字はまたに作り、心部の字はまた杪に仮借して用いる。いずれも遠の意がある。

[熟語]
貌閲貌恭・貌形貌敬貌虔・貌・貌言貌施・貌似・貌取貌執貌肖貌象・貌状・貌色・貌寝・貌侵・貌相・貌態・貌托・貌短・貌定・貌徳・貌望・貌容
[下接語]
意貌・花貌・外貌・顔貌・気貌・偽貌・旧貌・玉貌・形貌・敬貌・言貌・厚貌・才貌・志貌・姿貌・辞貌・実貌・愁貌・状貌・情貌・色貌・神貌・酔貌・声貌・全貌・相貌・体貌・美貌・風貌・文貌・変貌・面貌・容貌・礼貌

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【団貌】より

…中国古代における公課徴収の前提となる集団的首実検。隋・唐の文献にこの語が現れ,貌は容貌の貌で首実検する意味の動詞にも用いる。隋・唐時代の公課である租庸調は丁男対象に賦課されたので,徴兵とともに丁男の把握が国家権力にとって必須であり,毎年県令みずから行うたてまえで,19,49,59歳の男子と79,89歳の男女を法定対象とするほか,中男と小男の一部も加えられ,姦欺の疑いある者はだれでも団貌に引き出された。…

※「貌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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