デジタル大辞泉
「貨泉」の意味・読み・例文・類語
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貨泉
貨泉 中国・新(8~23年)を建国した王莽が流通させた貨幣。14~40年に鋳造された。日本では弥生時代の遺跡から出土するほか、中世に大量輸入された中国銭の中に交じることもある。鋳造期間が短いことから、出土した遺跡の年代の指標となる。南あわじ市教育委員会によると、貨泉は今回の3枚を含め、全国各地で179枚見つかっている。一度に出土した最多は岡山市の高塚遺跡の25枚。
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か‐せんクヮ‥【貨泉】
- 〘 名詞 〙 古代中国、新の王莽(おうもう)が鋳造した銅銭。中央の四角い穴の右に貨、左に泉の二字がある。長崎県壱岐島の原の辻遺跡や大阪市の瓜破(うりわり)遺跡などから発見された。
- [初出の実例]「楡莢重軽種、貨泉商賈源」(出典:菅家文草(900頃)五・銭)
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普及版 字通
「貨泉」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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貨泉 (かせん)
Huò quán
中国,新の王莽が西暦14年(天鳳1),彼としては第4次の貨幣制度改革で制定した銅銭。径1寸,重さ5銖。方孔をはさんで,右に篆(てん)書体で〈貨〉字を,左に〈泉〉字を刻む。王莽は10年(始建国2)の第3次貨幣改革で6系統28種の貨幣を発行したが,あまりの煩雑さに人民は当惑し,貨幣経済は大混乱に陥った。そこで彼はわずか4年でこの制度を廃止し,改めて貨布と貨泉の2種類の貨幣を発行し,両者の比価を25対1とした。貨泉は王莽政権が倒れた後も,40年(建武16),後漢光武帝が五銖銭を復活するまで,官や民間で鋳造され続けたので,質や重量,様式に差異がある。またその鋳造額が多かったので,外国にも流出し,朝鮮や日本の遺跡からも出土しており,遺跡の年代決定の基準とされることがある。
執筆者:稲葉 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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貨泉
かせん
中国、王莽(おうもう)の新(しん)代の銭貨の一種。天鳳1年(紀元14)の初鋳。円形方口の銅銭で、右に「貨」、左に「泉」の字を鋳出する。日本では福岡県糸島(いとしま)市志摩御床松原(しまみとこまつばら)の砂丘地で、中山平次郎(へいじろう)(1871―1956)によって採集され、弥生(やよい)土器に伴出するものと認定され、弥生時代の年代決定の有力な手掛りとされた。その後、しだいに発見例が増え、多くの弥生時代の遺跡で貨泉が出土している。このうち大阪府亀井(かめい)遺跡では一土坑内から畿内(きない)第Ⅳ~第Ⅴ様式の土器片とともに貨泉1枚が発見され、長崎県壱岐(いき)の原の辻(はるのつじ)遺跡では上層(九州の弥生後期前半)から貨泉1枚が発見されている。弥生時代中期末ないし後期初頭が、1世紀中ごろから後半にかけての時期であったことを示す資料である。
[田村晃一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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貨泉【かせん】
中国,新の時代の貨幣。周制への復帰を理想とする王莽(おうもう)が五銖銭(ごしゅせん)の流通を禁止し,貨布とともに後14年に初めて発行。後漢まで鋳造された。円形方孔で貨泉の銘をもつ。初めは径1寸,重量5銖であったが,異種が多い。中国のほかに,朝鮮,日本などでも発見され,遺跡の年代判定の資料とされている。
→関連項目金海遺跡
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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貨泉
かせん
Huo-guan
中国で王莽 (おうもう。前 45~後 23) の時代につくられた貨幣の一種。天鳳1 (14) ~建武 16 (40) 年の間に鋳造された青銅貨。円体に四角の孔があり,表に孔をはさんで貨,泉の銘がある。いろいろの大きさがあるが,当初の規格は径1寸 (3.3cm) ,重さ5銖 (約 8g) である。中国本土をはじめ,中国東北地方,朝鮮などに出土し,日本では弥生時代の遺跡に出土して,弥生文化の年代推定に役立っている。
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貨泉
かせん
1世紀初頭,王莽 (おうもう) の時代に造られた貨幣
14年に発行され,形は丸く,四角の穴があき,貨泉の字がある。最初のものは直径3㎝,重さは8gである。この貨幣は40年に五銖銭 (ごしゆせん) が復活するまで盛行し,朝鮮や日本の弥生遺跡からも発見される。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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貨泉
かせん
中国,新の王莽 (おうもう) の時代(8〜23)に鋳造された貨幣の一種
円形で四角の穴があり,穴の右左には貨・泉の2字がある。西日本で弥生土器とともに出土。鋳造年代が限定されているので,遺跡年代決定の根拠となるともいわれる。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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