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五銖銭 ごしゅせんWu-zhu-qian; Wu-shu-ch`ien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

五銖銭
ごしゅせん
Wu-zhu-qian; Wu-shu-ch`ien

中国古代の「五銖」とのある青銅製貨幣。前武帝の元狩4 (前 119) 年に鋳造された五銖銭は重さ5銖 (3.35g) あり,五銖銭の起源となっている。五銖銭は前漢からにいたるまで鋳造使用され,その種類も多い。基本的な形は,円形方孔で,外郭を有し,右側に五,左側に銖の銘が存在するが,五銖の銘が左右逆の蜀銭といわれるものもある。前漢のものは概して重厚で形も整っている。後漢では,建武 16 (40) 年に五銖銭を鋳造し,整斉ではあるが,なかには悪銭もみられる。後漢以後,隋にいたる間に,蜀の直百五銖,晋の沈郎五銖,梁の内郭五銖・大吉五銖・大富五銖・大通五銖,北魏の太和五銖・永安五銖,北斉の常平五銖などが鋳られ,隋は開皇1 (581) 年に外郭幅広の小五銖銭をつくっている。唐代に入り,武徳4 (621) 年に開元通宝がつくられ,以後,五銖銭の鋳造はみられなくなった。

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デジタル大辞泉の解説

ごしゅ‐せん【五×銖銭】

中国の前漢武帝の時代に鋳造された銅銭。重さ5銖(約3グラム)で、表面に「五銖」の文字がある。以後、時代まで用いられた。

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百科事典マイペディアの解説

五銖銭【ごしゅせん】

前漢の武帝の時代に創鋳された銅銭。円体方孔で〈五銖〉の銘をもつ。後漢・三国・六朝を経て隋代まで通用した。鋳造年代と場所により穿上横文五銖,四道五銖,直百五銖など多種があり,考古学上,出土した遺跡の年代を知る手がかりとなる。
→関連項目貨泉

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世界大百科事典 第2版の解説

ごしゅせん【五銖銭 wǔ zhū qián】

〈五銖〉の銘をもつ中国の古銭。円体方孔で,多くは右書,まれに左書で五銖の2字を表す。銖は1両の1/24にあたる重量単位である。前漢の武帝の元狩4年(前119)に三銖銭を銷(とか)して五銖銭を鋳たのが最初で,その後,平帝の元始年間(後1‐5)に至るまで,五銖銭を鋳ること280億万余と伝えられる。この銭は中国の古銭のなかで最も生命が長く,後漢,三国,六朝を経て,隋代まで通用した。しばしば改鋳されたため,形式や字体に変化が見られるので,出土した遺跡の年代の上限を知る手がかりとなる。

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大辞林 第三版の解説

ごしゅせん【五銖銭】

中国、前漢の武帝のときに鋳造された銅銭。「五銖」の銘をもつ。隋代まで使用された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

五銖銭
ごしゅせん

中国、前漢、武帝の紀元前119年に制定された青銅銭。銖とは重さの単位で1銖は0.65グラムである。五銖銭は重さ5銖で、表示も「五銖」とした円型方孔銭であり、銭の周囲には縁どりがなされた。五銖銭鋳造は当初、各郡国でも行われたが、前113年以降は中央政府が独占的に行うこととなり、それ以外の貨幣流通を禁じた。これ以後、漢初以来混乱していた貨幣制度は安定し、元狩5年(前118)から元始年間(後1~5)までに280億余の五銖銭が鋳造された。以後、五銖銭は唐初期の開元通宝の制定(621)に至るまで、基本的通貨として用いられた。[重近啓樹]

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世界大百科事典内の五銖銭の言及

【貨幣】より

…漢代初期には銅銭の重量・大きさをめぐって試行錯誤が繰り返されたが,前175年(文帝5),四銖半両銭の発行で安定した。さらに武帝のとき,三銖銭の暫定的発行(前120)を経て五銖銭が発行されるに及び(前119),銅銭の重量・様式は確定した。五銖銭は,以後,唐の621年(武徳4),開元通宝が発行されるまで,銅銭のモデルとされた。…

【銅銭】より

…半両銭は秦国の貨幣であったところから最初の統一貨幣の名誉を担うことになるが,方孔円銭という点で後世の銅銭の祖型とはなったものの,周縁部に外郭がなく,文字や形式も不整合なうえ,銭文とその重量が一致していなかった。漢の武帝は財政上の目的のほか,これらの不備を改める目的もあって五銖銭を発行した。五銖銭は重量や様式において貨幣としての条件を充足し,経済の実情にも適していたので,これ以後,銅銭のモデルとなった。…

※「五銖銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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