翻訳|range finder
距離測定用計器の総称。距離測定の方法は大別して次のとおりである。(1)測定すべき長さに沿って長さ計をあてるか,既知円周の回転円板を転がしたときの回転数から求める方法。(2)既知長さの基線の両端から求めるべき点をねらい,測定した角度から三角法によって求める方法。(3)既知長さの基線の一端から光を発し,反射して戻る光を他端でとらえて求めた角度から三角法によって求める方法。(4)音,光,電波などを送り,反射して戻る伝搬時間から求める方法。そのうち,測量で電磁波やレーザーを用いて長い距離を求める装置を測距儀と呼んでいる。
カメラの焦点合せには上の(2),(3)および(4)の距離計のほか像のコントラストを検出する方法を用いている。図1に示す三角法による距離計は,一定の間隔をおいて設けられた左右対称の二つの望遠鏡からなり,鏡M1が厳密に直角に反射するようになっている。無限大にある目標からくる光は平行光線で,像I1,I2は一致する。しかし,有限の距離の目標の像は一致しない。その不一致におけるひらきをε,鏡M1,M2の基線の距離をb,焦点距離をfとすると,目標までの距離はD=bf/εとなる。このεを測りDを求める。実際にはI1とI2とを重ねる方法を用いる。図2はその一方法で,o2とm2との間にプリズムを入れ,その位置を光軸に沿って動かし,像を合致させたときの位置から距離を知る。また,図1のm1,m2の代わりにプリズムを用い,右窓から入る部分を視界の上半分に,左窓から入る部分を視界の下半分に見えるようにし,上下の像のつながりをよくして求めることも行われる。オートフォーカスカメラの図3に示す場合は,それぞれの像が短冊状に並べたフォトダイオードアレイ上に形成されるようにし,像の照度分布に対応した光電流を比較しつつ,撮影レンズに連動している可動鏡を動かし,出力差の最小位置を見いだして,合焦点としている。あるいはCCDイメージラインセンサーを用い,受光素子の電気信号を電気的走査によって時系列的に取り出し,被写体までの距離をマイクロプロセッサーで計算して求めるものもある。近赤外線を発光ダイオードから放射する図4の場合は,被写体に当たって反射した光をセンサーで受け,基線に対して照射光と反射光とが作る角度を測って距離を求めている。反射して戻るまでの時間を測り距離を求めるカメラでは,距離が短いので光より遅い超音波を用いている。
回転円板を用いる距離計にはタクシーメーター,地図メジャーなどがある。
執筆者:沢辺 雅二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
目標物までの距離を遠隔測定する器械の総称。古典的には三角測量の原理によって光学的に測定する器械であり、このうち精密測定用のものは測距儀あるいは測遠器とよばれ、写真撮影用などに用いる小型のものが距離計とよばれている。
のような光学系をもち、二つの光路による目標物の二重像が重なるように回転鏡の角度を調節し、そのときの角度から目標物までの距離を求める。1990年ごろから、目標物にレーザー光線や超音波ビームを当てて、その反射波が戻ってくるまでの時間から距離を求める方式の距離計が広く利用されている。[三井清人]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… カメラの発達とともに,撮影をより簡単に行えるように,各種の機能をカメラに組み込むことが行われた。カメラに距離計を組み込み,これとピント調節を連携させる,いわゆる連動距離計が一般化するのは1932年のライカII,同年ツァイス・イコン社から発売されたコンタックス以降である。露光量を決定するために被写体の明るさを電気的に測る方式としてはセレン光電池を用いたものが古く,これをカメラに組み込んだ最初はツァイス・イコン社の二眼レフ,コンタフレックスで,発売は35年である。…
※「距離計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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