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軍人勅諭 ぐんじんちょくゆ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

軍人勅諭
ぐんじんちょくゆ

1882年1月,明治天皇が軍隊に下賜した勅諭。「陸海軍軍人ニ下シ給ヘル勅諭」の略。「我国の軍隊は世々天皇統率し給ふ所にそある」など天皇の軍隊統率の本旨を明らかにしたあと,忠節礼儀武勇信義,質素の5つの基本徳目を示し,同時に歴史的記述のなかで,軍の政治関与を厳に戒めたもの。第2次世界大戦の終戦にいたるまで,軍の精神的支柱となっていた。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

軍人勅諭

陸軍卿山県有朋が発意し、1882(明治15)年、天皇から下された。天皇による軍の統率を強調し、忠節、礼儀、武勇、信義、質素の5カ条、2686字からなる。「軍人の死は羽毛よりも軽い」「上官命令は天皇の命令」などと説いた。

(2014-08-15 朝日新聞 朝刊 2社会)

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デジタル大辞泉の解説

ぐんじん‐ちょくゆ【軍人勅諭】

明治15年(1882)明治天皇から陸海軍人に与えられた勅諭。旧陸海軍人の精神教育の基本とされた。

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百科事典マイペディアの解説

軍人勅諭【ぐんじんちょくゆ】

1882年明治天皇が軍人に下した勅諭。〈軍人に賜はりたる勅諭〉の略称。参謀本部長山県有朋西周に起草させた。大元帥である天皇が直接軍の統帥に当たること,天皇への忠節を第1とし,礼儀・武勇・信義・質素の5徳目を掲げ,天皇への絶対的服従を強調した。
→関連項目軍人訓誡戦陣訓福地桜痴

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世界大百科事典 第2版の解説

ぐんじんちょくゆ【軍人勅諭】

1882年に発せられた〈陸海軍人に賜はりたる勅諭〉の略称。創設期の日本陸海軍は陸軍がフランス式,海軍がイギリス式の制度的模倣であったが,徴兵制を採用しながら国民軍隊的基盤はなく,軍隊の統帥を権威づける思想体系が成立していなかった。軍隊手帳には8条の掟と4条の誓文が記載されていたが簡単な文章であった。西南戦争後の1878年8月,近衛砲兵の反乱である竹橋騒動が起こった直後,陸軍卿山県有朋の名で数万言を費やした〈軍人訓誡〉が出された。

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大辞林 第三版の解説

ぐんじんちょくゆ【軍人勅諭】

1882年(明治15)、天皇が軍人に与えた訓戒の勅語。忠節・礼儀・武勇・信義・質素を説き、軍人の天皇への忠誠を求めた。軍人の精神教育の基礎とされ、軍人にはこれを暗記させた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

軍人勅諭
ぐんじんちょくゆ

1882年(明治15)1月4日、明治天皇が陸海軍人に下した勅諭。正式名称は「陸海軍軍人に賜はりたる勅諭」。他の勅語が漢文調であるのと異なり、平仮名交じりの平易な和文調で、文語体ではあるが、わかりやすい語りかけの体裁をとり、2700字に及ぶ長文となっている。内容は、わが国の兵制の沿革を説き、天皇が軍の最高統率者であることを強調した前文と、忠節、礼儀、武勇、信義、質素の5か条を軍人の守るべき教えとして解説した主文、および、これらを誠心をもって実行するよう求めた後文とからなっている。その特徴は、天皇が兵馬の大権を掌握することを明らかにし、統帥権独立論に根拠を与えた点、忠節を第一の軍人の徳目とし、上官の命に服従することは天皇の命令に服従することであると説いている点、軍人が政治に関与すべきではないと教え、小節の信義に惑って大綱の順逆を誤るなと説くなど、西南戦争、竹橋事件、自由民権運動などの当時の社会情勢に関連して軍隊の動揺を防止し、その精神的支柱を確立しようとする意図が明らかにされている点にある。
 軍人に対する精神的な教えとしては、すでに1872年(明治5)2月、軍人の日常の心得を示した陸軍読法、海軍読法が出され、さらに78年8月、竹橋事件直後に陸軍卿(きょう)山県有朋(やまがたありとも)により軍人訓誡(くんかい)が達せられていたが、これをさらに進めて、天皇への絶対服従を要求した勅諭の下賜となったのである。したがってこの勅諭は、当時の時流に対する戒めという意味が強かったが、天皇制が確立し、軍隊が天皇の軍隊として独自の特権的地位を占めるにしたがって、軍隊の精神的中核として重要視されるようになった。そして軍人に対しては、これを金科玉条として信奉することが要求され、ついには長文の全文を暗誦(あんしょう)することが強制されるようになった。1948年(昭和23)6月19日、国会で教育勅語などとともにその失効を決議された。[藤原 彰]

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