転がる(読み)コロガル

デジタル大辞泉 「転がる」の意味・読み・例文・類語

ころが・る【転がる】

[動ラ五(四)]
ころころと回転しながら進む。ころげる。「一〇円玉が―・る」
立っていたものが倒れる。ころぶ。ころげる。「つまずいて―・る」
からだを横にする。寝ころがる。「畳の上に―・って新聞を読む」
(「ころがっている」の形で)
㋐無造作に、あるいは雑然と置かれたように物がある。「消しゴム鉛筆が―・っている」
㋑どこでも見かける、珍しくもないものとして存在している。「うまい話はそう―・ってはいない」「その辺に―・っているものとはちょっと違う」
物事の成り行きが変わる。形勢が変化する。「どう―・っても損はない」
[可能]ころがれる
[類語]転ぶ転げるこける倒れるひっくり返るくつがえ転倒する横転する転覆する倒壊する卒倒する昏倒こんとうする潰れる

まろが・る【転がる】

[動ラ五(四)]ころがる。
「―・りたる生簀いけすの籠も」〈蘆花自然と人生

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「転がる」の意味・読み・例文・類語

ころが・る【転】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ある物体が、その回転面を接しつつ、他の物の表面や地面の上を回転しながら進む。ころげる。まろぶ。
    1. [初出の実例]「或は仏の法輪の転(コロカル)処、或は抅尸那城の仏の涅槃をのたまへる処」(出典:蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008))
  3. ふつうは安定して立っている物や人が倒れる。ひっくりかえる。ころげる。ころぶ。
    1. [初出の実例]「あれ傘が転(コロ)がる、あれを畳んで立てかけて置けば好いにと」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉一三)
  4. 横たわる。ごろんと横になる。寝っころがる。ころげる。
    1. [初出の実例]「其お羽織を着た儘で転(コロ)がってお仕舞なさり」(出典:落語・巖流島(1890)〈四代目三遊亭円生〉)
  5. ( 多く「ころがっている」の形で ) 人が仕事もせずにある場所にぶらぶらしている。
    1. [初出の実例]「正太は例の歌も出ず、〈略〉火ともし頃より筆やが店に転(コロ)がりて」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉一六)
  6. ( 多く「ころがっている」の形で ) 物が、雑然として存在している。また、無造作に置かれている。
    1. [初出の実例]「あら猫にけつまづいたよ。茶碗がころがって居るよ」(出典:落語・猫と鼠(1899)〈六代目桂文治〉)
  7. ( 「ころがって(い)る」の形で ) ありふれたものとして存在する。
    1. [初出の実例]「儲けやうったって、今時さう儲け口が転(コロ)がってるもんぢゃない」(出典:坑夫(1908)〈夏目漱石〉)
  8. いい声で歌う。なめらかに美しく歌う。
    1. [初出の実例]「念仏のころがる内儀やとわれる」(出典:雑俳・柳多留‐二(1767))
  9. 仕事などが順調に進行する。
    1. [初出の実例]「市場開拓功労者がひとたび管理者の地位に就くと、万事がうまくころがらなくなる」(出典:新西洋事情(1975)〈深田祐介〉泣いてパリに馬謖を斬る)

まろが・る【転】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「まろかる(丸)」と同語源 ) まわる。ころがる。
    1. [初出の実例]「血の如く紅なる大月(たいげつ)地平線より輾(マロガ)り出で」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉基督の徒)

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