倒れる(読み)タオレル

デジタル大辞泉 「倒れる」の意味・読み・例文・類語

たお・れる〔たふれる〕【倒れる】

[動ラ下一][文]たふ・る[ラ下二]
立っている状態を続けられなくなって横になる。支える力を失ってころんだり、倒壊したりする。「暴風で木が―・れる」「石につまずいて―・れる」
病気になって床につく。「心労で―・れる」
(「殪れる」「斃れる」「仆れる」とも書く)命を奪われる。殺される。死ぬ。「敵弾に―・れる」
勝負で負かされる。屈する。「横綱が―・れる」「三振に―・れる」
政体国家などがくつがえる。滅びる。「内閣が―・れる」
資金などが続かなくなり仕事がゆきづまって、店・会社などがつぶれる。倒産する。「不景気で―・れる会社が多い」
[類語](1ひっくり返るくつがえ転がる転げる転ぶける転倒する横転する転覆する倒壊する卒倒する昏倒こんとうする潰れる/(2寝込む寝付くせる寝る/(3死ぬ亡くなる死する没する果てる眠るめいする事切れる身罷みまか先立つ旅立つ死去する死亡する死没する物故する絶命する絶息する永眠する瞑目めいもくする逝去せいきょする長逝ちょうせいする永逝えいせいする他界する昇天する往生おうじょうする落命する急逝きゅうせいする急死する頓死とんしする横死する憤死する夭折ようせつする夭逝ようせいする息を引き取る冷たくなるえなくなる世を去る帰らぬ人となる不帰の客となる死出の旅に出る亡き数に入る鬼籍に入る幽明さかいことにする黄泉こうせんの客となる命を落とす人死に物化まかくたばる絶え入る消え入るはかなくなる絶え果てる空しくなる仏になる朽ち果てる失命夭死臨終ぽっくりころり突然死即死/(6倒産破産廃業経営破綻潰れる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「倒れる」の意味・読み・例文・類語

たお・れるたふれる【倒・斃】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]たふ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 立っている状態が保てなくなって、横になる。
    1. [初出の実例]「其の船の中の簀椅(すばし)に塗りて、蹈(ふ)みて仆(たふ)るべく設(ま)けて」(出典古事記(712)中)
    2. 「松の木も、ひととせの風にたふれにしかば」(出典:古本説話集(1130頃か)二七)
  3. (病気・災害などによって)からだがそこなわれて伏す。わずらう。また、死ぬ。
    1. [初出の実例]「斃 四声字苑云斃〈毗祭反 訓多布流〉死也」(出典:十巻本和名抄(934頃)七)
    2. 「如何なる政治的天才も忽ち非命に仆れる外はない」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉政治的天才)
  4. 屈する。折れる。気持が折れる。
    1. [初出の実例]「今やうの君達といふもの、たふるるかたにて、あるかぎりみなまめ人なり」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文)
  5. ほろびる。くつがえる。
    1. [初出の実例]「平氏たふれ候ぬと申されける」(出典:高野本平家(13C前)一)
    2. 「今の政府はそう簡単に倒れるものではない」(出典:第2ブラリひょうたん(1950)〈高田保〉内閣打倒)
  6. 損失が多くて経営家計などが立ちゆかないようになる。破産する。倒産する。
    1. [初出の実例]「シンシャウガ tauoruru(タヲルル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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