(読み)レン

デジタル大辞泉 「輦」の意味・読み・例文・類語

れん【輦】[漢字項目]

[音]レン(呉)(漢) [訓]てぐるま
人が引く車。てぐるま。「輦轂れんこく輦車輦輿れんよ
天子の乗る車。「輦道玉輦発輦鳳輦ほうれん

れん【×輦】

輦輿れんよ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「輦」の意味・読み・例文・類語

れん【輦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人の引く車。手車。特に、天子の乗る車。〔詩経小雅黍苗
  3. 土台につけた轅(ながえ)を数人で肩にかついで進行する乗り物。輦輿天皇など特に身分の高い人の乗り物。
    1. [初出の実例]「是間斎女駕輦参社其行列也」(出典貞観儀式(872)一)
  4. 特に、「ほうれん(鳳輦)」または「そうかれん(葱花輦)」の略。
    1. [初出の実例]「被太后命偁。吾処深宮之中。未嘗見我帝御輦之儀」(出典:続日本後紀‐嘉祥三年(850)正月癸未)

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普及版 字通 「輦」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音] レン
[字訓] てぐるま・ひく・になう

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
(はん)+車。は車のくびきの形。〔説文十四上に「輓(ひ)く車なり」とし、に従う意について「車に在りて之れを引くなり」とする。を二夫ならぶ形と解するものであろうが、馬にくびきをつけた形。金文にはその形に作る。〔左伝、荘十二年〕「乘車を以て其の母を輦す」、〔左伝、定六年〕「子、老す。輦してに如(ゆ)く」など、婦人老人に用いるてぐるま。川を渉るときに用いるものを輦台という。かつぎあげる輿(こし)は、車の左右と下に四手を加えた形に作る。

[訓義]
1. てぐるま、人がひくくるま。
2. にぐるま。
3. こし。
4. ひく、になう。

[古辞書の訓]
和名抄〕輦 天久留万(てぐるま) 〔名義抄〕輦 テグルマ・ハコブ・コシ・ヒク

[熟語]
輦運・輦下・輦閣・輦御輦轂・輦車輦従・輦前・輦送・輦道輦蹕・輦夫・輦輿輦洛・輦路輦輅
[下接語]
掖輦・華輦・回輦・御輦・輦・玉輦・京輦・軽輦・肩輦・輦・香輦・辞輦・車輦・乗輦・宸輦・翠輦・席輦・大輦・駐輦・都輦・任輦・輓輦・伏輦・歩輦・奉輦・鳳輦・遊輦・輿輦・鸞輦・留輦

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「輦」の意味・わかりやすい解説


れん

天皇の乗輿の一つ。行幸の際,方形の屋形を載せた轅 (ながえ) を駕輿丁 (かよちょう) がかついだ。屋根に金銅の鳳凰 (ほうおう) を置くものを鳳 (ほう) 輦,宝珠形を置くものを葱花 (そうか) 輦という。前者は天皇の正式の乗物。

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