輦車(読み)レンシャ

デジタル大辞泉 「輦車」の意味・読み・例文・類語

れん‐しゃ【×輦車】

《「れんじゃ」とも》ながえを腰の辺に当て、人の手で引く車。東宮皇族、また勅許を得た重臣の乗り物。てぐるま。こしぐるま。

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精選版 日本国語大辞典 「輦車」の意味・読み・例文・類語

れん‐じゃ【輦車】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「れんしゃ」とも ) 輦に車をつけて前後から轅(ながえ)に手を添えて進行させる乗物牛車の進入できない宮城内を勅許を得た皇族・摂関大臣女御その他の高官たちが乗用する。てぐるま。輿車小車。〔新儀式(963頃)〕 〔周礼‐春官・巾車〕
    1. 輦車〈石山寺縁起絵〉
      輦車〈石山寺縁起絵〉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「輦車」の意味・わかりやすい解説

輦車
れんしゃ

平安時代以来,特に大内裏の中を貴人を乗せて人力で引く車。宮城門から宮門までの間を乗る。大内裏外の交通は,一般に牛車,乗馬によった。輦車の乗用を許す宣旨を「輦車の宣旨」という。東宮 (→春宮 ) 以下大臣をはじめ大僧正が乗ることを許され,また女御,一部の更衣にも許された。輦車は,方形屋形に付属する轅 (ながえ) の中央に車をつけ,数人の者が車の前後から轅を持って,手で引き運行させる。

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普及版 字通 「輦車」の読み・字形・画数・意味

【輦車】れんしや

てぐるま。魏・劉〔公讌詩〕輦車、素蓋(そがい)を飛ばし 從路傍に盈(み)つ

字通「輦」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「輦車」の意味・わかりやすい解説

輦車【れんしゃ】

てぐるま,輿(こし)車(腰車)とも。轅(ながえ)の中央に車を付け,轅を腰にあてて多人数で引く乗物。平安時代に,特に勅許を得た貴人だけが,参内(さんだい)にあたり,内裏(だいり)の中で乗った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「輦車」の意味・わかりやすい解説

輦車
れんしゃ

輿

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世界大百科事典(旧版)内の輦車の言及

【車】より

…平安時代になると多くの種類の車がつくられ,皇族・貴族等が乗るようになった。車には牛に引かせる牛車(ぎつしや)と,人の引く輦車(れんしや∥てぐるま)とがある。牛車は人の乗る屋形,輪,車の前に長く伸びる轅,牛につける軛等から成る。…

【車】より

…平安時代になると多くの種類の車がつくられ,皇族・貴族等が乗るようになった。車には牛に引かせる牛車(ぎつしや)と,人の引く輦車(れんしや∥てぐるま)とがある。牛車は人の乗る屋形,輪,車の前に長く伸びる轅,牛につける軛等から成る。…

※「輦車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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