(読み)コク

デジタル大辞泉 「轂」の意味・読み・例文・類語

こく【轂】[漢字項目]

[音]コク(呉)(漢) [訓]こしき
車輪の軸を受ける部分。こしき。「轂下こっか轂撃こくげき輦轂れんこく

こしき【×轂】

牛車ぎっしゃなどの車の輪の中央の太い部分で、放射状に差し込まれたの集まっている所。その中心車軸が通っている。

こく【×轂】

車のこしき。車轂
「―相撃ちては砕けぬべきをも覚えざるは」〈紅葉金色夜叉

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精選版 日本国語大辞典 「轂」の意味・読み・例文・類語

こしき【轂】

  1. 〘 名詞 〙 車輪の中心の輻(や)が集まる太く丸い部分。中を車軸が貫いている。筒(どう)
    1. [初出の実例]「轂輞 上己之岐(コシキ)下矢也」(出典新訳華厳経音義私記(794))
    2. 「牛車一具。〈略〉轅輻料樫(かしのき)九十七枚。(こしき)料槻二枚」(出典:延喜式(927)一七)

こく【轂】

  1. 〘 名詞 〙 車のこしき。車轂。〔二十巻本和名抄(934頃)〕〔礼記‐曲礼上〕

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普及版 字通 「轂」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] コク
[字訓] こしき

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(かく)。は脱穀したのちの殻皮で、中の空虚なものをいう。〔説文十四上に「輻(や)の湊(あつま)るなり」とあり、〔老子十一〕に「三十輻、一轂を共にす」という。中空の軸の外に輻が集まる。

[訓義]
1. こしき。
2. くるま、くるまをおす。
3. あつめてしめくくる。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕轂 楊氏語抄に云ふ、車の古之岐(こしき)、俗に云ふ、筒なり 〔字鏡〕轂 コシキ・クルマノコシキ・クルマノトコ・コク 〔字鏡集〕轂 クルマノコシキ・トウ

[熟語]
轂下轂撃轂轂轂転轂軛轂轆
[下接語]
運轂・華轂・画轂・夾轂・軽轂・撃轂・交轂・香轂・柴轂・車轂・推轂・斉轂・折轂・接轂・輳轂・丹轂・馳轂・暢轂・転轂・飛轂・扶轂・輸轂・遊轂・輪轂・麗轂・連轂・輦轂

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