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農業生産組織 のうぎょうせいさんそしき

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

農業生産組織
のうぎょうせいさんそしき

農業生産の向上を目指して零細農業の枠から抜け出すことを意図し,農民の自主性のもとに誕生した集団による生産組織。集団化,協業化,大型施設利用などの形態がある。組織構成は集落内におけるものが大半で,10~20戸が多い。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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農業関連用語の解説

農業生産組織

複数(2戸以上)の農家が農業生産過程における一部もしくは全部についての共同化・統一化に関する協定の下に結合している生産集団又は農業経営農作業を組織的に受託する集団をいう。
具体的には、栽培協定、機械・施設の共同利用、農作業等の受託のいずれかの事業を行う集団及び協業経営を行う集団をいう。

出典|農林水産省
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世界大百科事典 第2版の解説

のうぎょうせいさんそしき【農業生産組織】

2戸以上の農家が,農業の生産過程の一部または全部について,共同してやろうという協定をもとに結合している生産集団,および農業経営や農作業を組織的に受託する組織を総称して農業生産組織農林水産省は表現している。農政当局がこの言葉を用いるようになったのは1960年代半ば以降からであるが,簡単にいえば,機械利用や労働力編成などの面で,個別では農業生産をやっていけない農家を,その生産過程において補強し,補完する組織のことである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

農業生産組織
のうぎょうせいさんそしき

わが国の農業生産の多くは零細な家族経営により行われているが、それら経営では農業生産力の発展に伴ってそれに適した経営規模を確保することがむずかしい。そのため複数の農家が組織をつくってその新しい技術や機械を導入するという取り組みが行われてきた。農業生産組織とは、このように「複数(2戸以上)の農家が農業生産過程における一部もしくは全部についての共同化・統一化に関する協定の下に結合している生産集団又は農業経営や農作業を組織的に受託する集団」(『農林水産統計用語事典』2000年)といえる。
 この用語は、乗用トラクターなどの農業機械が普及し始めた1960年代中ごろに登場し、1971年(昭和46)版の『農業白書』においては、「今日の個別経営は生産組織との係(かか)わりなしに存続、発展することは困難である」といわれるまでに一般化していった。
 農業生産は、生産資源である労働力、資本財、中間生産物、土地を相互に組み合わせながら有効利用して行われる。したがって、生産過程において複数の農家が共同活動を行う農業生産組織も、それら生産諸資源の組織的な利用を通じて展開していった。
 年代順にその経緯をみると、まず、1960年代は、労働力の組織的利用が共同作業組織として展開した。田植の共同作業と、品種の統一や水管理などに関する栽培協定を中心とする水稲の集団栽培組織は、この時期の生産組織の代表であり、全国各地に普及した。しかし、その後兼業化が進み、農家が平等に出役して共同作業を行うことが困難となったことなどから、その数は減少した。
 1970年代に入り、稲作における機械化一貫体系が確立されたが、小規模層を中心に、トラクターやコンバインなどの機械をもたない農家が出てきた。また、農業構造改善事業などの補助事業を通して、それら中・大型機械の導入を促す施策が進められた。このような背景から、この時期には、資本財である農業機械や施設の利用をめぐる組織が増え、各地に機械共同利用組合や、機械作業を請け負う受託組織が設立された。
 1970年代後半には、単作的な規模拡大が進められたことなどから、化学肥料の多投による地力消耗や、大規模畜産による糞尿(ふんにょう)公害といった問題が発生した。そのため、たとえば、畜産農家から生じる家畜糞尿と、地力維持に苦しむ耕種農家の稲藁(いなわら)とを互いに交換して利用するなど、地域複合組織とよばれる中間生産物の地域的な利用組織がつくられていった。
 1980年代においては、米の過剰問題の発生に伴い、稲作から麦作や大豆作に転換する水田利用再編対策が進められた。そのなかで、転作作物の効率的な栽培を実施するために、個々の農地の所有権とはかかわりなく、地権者の合意に基づき、地域単位に土地利用計画をたて、農地を数ヘクタールの団地にまとめて有効利用するという集団的土地利用組織がつくられるようになった。
 このように、農業生産組織の形成は、それぞれの時代背景のもとで、労働力の組織化、資本財の組織化、中間生産物利用の組織化、土地利用の組織化の順に進められた。また、その過程では、それぞれの生産資源に関する農家どうしの共同利用から、1980年代以降は、それら生産資源個々の組織的利用を相互につなぎ合わせ、総合化すること、すなわち、一つの地域において生産諸資源を総体として有効利用する地域農業組織の形成が図られるようになった。
 1990年代に入ると、集落営農や地域農場制、地域農業システムといった多様な形態の組織活動が実施されるようになり、また、受託組織や集落営農組織の一部には、農事組合法人や有限会社、あるいは特定農業法人として法人化を図る事例も生まれてきている。[梅本 雅・高橋正郎]
『農業生産組織研究会編『日本の農業生産組織』(1980・農林統計協会) ▽高橋正郎著、七戸長生・陣内義人編『食糧・農業問題全集4 地域農業の組織革新』(1987・農山漁村文化協会)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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