デジタル大辞泉
「辿る」の意味・読み・例文・類語
たど・る【×辿る】
[動ラ五(四)]
1 道筋に沿ってめざす方向へ進む。「家路を―・る」
2 歩きにくい道や知らない道を確かめながら苦労して行く。迷いながら手探りで進む。「山道を歩一歩と―・る」「いばらの道を―・る」
3 筋道を追ったり、手がかりを頼ったりして探し求めていく。次から次へと尋ね求める。「話の筋を―・る」「記憶を―・る」「伝を―・る」
4 事態がしだいにある方向へ進んでいく。「破滅の一途を―・る」「話が平行線を―・る」
5 あれこれ物事を考え迷う。
「しばしは夢かとのみ―・られしを」〈源・桐壺〉
[可能]たどれる
[類語]赴く・出向く・行く・向かう
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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たど・る【辿】
- 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
- ① 行くえや、ありかなどを捜し求める。尋ね捜す。
- [初出の実例]「あるは月を思ふとてしるべなき闇にたどれる心心を見たまひて」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
- ② 行くべき道を迷いながら捜す。また、迷って行きなやむ。
- [初出の実例]「あまの河あさせしら浪たどりつつわたりはてねばあけぞしにける〈紀友則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・一七七)
- ③ 正気をなくしたり、気もそぞろになったりした状態で、道をふらふらと歩いていく。茫然自失して歩く。
- [初出の実例]「京へ出る人多ければ、其に伴ひて、我が宿坊にたどり来て」(出典:太平記(14C後)二七)
- ④ 状況、事態、物の筋道などがわからなくなり、解決を求めてあれこれと考え迷う。どうしたらよいのかわからないで迷う。まごまごする。また、途方に暮れる。
- [初出の実例]「我が身こそあらぬかとのみたどらるれとふべき人にわすられしより」(出典:類従本小町集(9C後か))
- ⑤ 模索しつつ考える。不十分な情報をたよりに、あれこれ実体を考える。
- [初出の実例]「あやし。ひが耳にやと、たどるを聞き給ひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
- ⑥ 次から次へと筋道に添って深く考える。考えをあれこれと及ぼしていく。考究する。また、せんさくする。
- [初出の実例]「ほの心うるも思の外なれど、おさな心地に深くしもたどらず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
- ⑦ 他人のやっていることを自己流になぞって習い覚える。
- [初出の実例]「時世のよせ今一きはまさる人には、〈略〉その心むけをたとるべき物なりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
- ⑧ 繰り返し練習する。
- [初出の実例]「夢にならひし琵琶は、〈略〉たとらるべき調なく」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)一)
- ⑨ 道や川などに沿って進む。
- [初出の実例]「里ある方へ打連れて、たどり行くこそ頼母しけれ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)
- ⑩ 手がかりになるものを頼って、捜しながら進む。また、順序や筋道を追いながら進む。
- [初出の実例]「何処やら幽(かす)かに記憶を辿るのである」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続)
- ⑪ 物事が次第にある方向に進む。「破滅への道をたどる」
- [初出の実例]「ドイツが〈略〉隆盛の方向をたどり」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉四)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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