近付く(読み)チカヅク

デジタル大辞泉 「近付く」の意味・読み・例文・類語

ちか‐づ・く【近付く】

[動カ五(四)]
あるものがある場所近くに移動する。「目的地に―・く」「台風本土に―・く」
それを行う時期が近くなる。ある期日刻限が迫る。「開会式が―・く」「終わりに―・く」
積極的に親しくなろうとする。親密さを求める。近寄る。「財産目当てに社長令嬢に―・く」
めざすものに近い状態になる。似てくる。「先代の芸に―・く」「限りなく本物に―・く」
[動カ下二]ちかづける」の文語形
[類語]近寄る寄る来る迫る差し迫る押し迫る押し詰まる切迫するやってくるきた訪れる来訪する到着する着く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「近付く」の意味・読み・例文・類語

ちか‐づ・く【近付】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
    1. 距離が近くなる。側に寄る。近寄る。
      1. [初出の実例]「伯孫就(チカツキ)(み)て心に欲(ほ)す」(出典日本書紀(720)雄略九年七月(前田本訓))
      2. 「京のちかづくよろこびのあまりに、あるわらはのよめるうた」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月五日)
    2. 知りあいになる。したしむ。親密になる。
      1. [初出の実例]「もしよき友にちかつけば、そのをしへ心にしむといへり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
      2. 「ちかづかまほしき人の、上戸にてひしひしと馴れぬる、またうれし」(出典:徒然草(1331頃)一七五)
      3. 「ヲンナ、または、ヲトコニ chicazzuqu(チカヅク)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    3. 時期が近くなる。時日がせまる。
      1. [初出の実例]「都辺に立つ日知可豆久(チカヅク)飽くまでにあひ見て行かな恋ふる日多けむ」(出典:万葉集(8C後)一七・三九九九)
      2. 「若きあり、中年あり、稍々老境に近づきたるあり」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉二)
    4. ある状態に近くなる。あるものに似てくる。
      1. [初出の実例]「理想に近づく時多くの者は破産するか失望する以外に道はない」(出典:暴君へ(1916)〈有島生馬〉)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙ちかづける(近付)

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