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来る キタル

デジタル大辞泉の解説

きた・る【来る】[動詞]

[動ラ五(四)]《「きいた(来至)る」の音変化》
やって来る。くる。「米大統領―・る」「冬―・りなば春遠からじ」
使いものにならなくなる。古くなっていたむ。古くさくなる。ぼける。
「角琴柱(かくことぢ)はちと―・ったから打ち直させうと思ふよ」〈滑・浮世風呂・二〉
異性に、ほれこむ。
「年増(としま)のお麦めは自己(おいら)に九分九厘―・ってゐて」〈滑・七偏人・三〉
動詞連用形に付いて)…し続けて現在にまで及ぶ。「行い―・る」

きたる【来る】[連体詞]

[連体]《動詞「きた(来)る」の連体形から》月日や行事などを表す語の上に付いて、近いうちにくる、この次の、の意を表す。「運動会は来る一〇日に開かれる」「来る定期総会において」⇔去る

くる【来る】

[動カ変][文]く[カ変]
空間的に離れているものが自分のいる方・所へ向かって動く。また、近づく。
㋐こちらに近づいたり着いたりする。接近・到着する。訪れる。「バスがた」「留守に友人がた」「霜のないうちに取り入れを済ませる」
㋑自分が今いる所を、再び、また以前にたずねる。やってくる。「いつかた町」「また明日ます」
㋒物が届く。「便りがくる」「ようやく注文した本がた」
㋓鉄道・水道などの設備が通じる。「この町にはまだガスがていない」
時間的に近づく。ある季節・時期・時間になる。「春がた」「時間がたので終わりにする」「行く年くる年」
事態が進んで、ある状態に至る。「もはや救いようのないところまでている」「使いづめでがたがくる」「もともと体が弱いところへて、この暑さですっかりまいってしまった」
(「…からくる」の形で)
㋐そのことが原因・契機になってある事態が生じる。起因する。「疲労からた病気」「倒産は経営の不手際からている」「信念からくる実行力」
㋑由来する。「ギリシャ語からた言葉」
何かによって、ある反応・感覚・感情が起こる。「ぴんとくる」「胸にじんとくる温かい言葉」
(「…ときたら」「…ときては」「…とくると」などの形で)ある物事を特に取り上げ強調して言う意を表す。特に…の場合は。…について言うと。「酒とくると、からっきしだめだ」「甘い物とたら、目がない」
《近世語から》恋い慕う気持ちが起こる。ほれる。
「君はよっぽど、どら吉(きち)にているな」〈逍遥当世書生気質
あるやり方でこちらに働きかける。「数でられたらかなわない」
(補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」が付いた形に付く。
㋐少しずつ移行したり、程度が進んだりして、しだいにその状態になる。だんだん…になる。「日増しに暖かくなってた」「最近太ってた」
㋑ある動作・状態が前から続いている。ずっと…する。…しつづける。「再三、注意してたことだが」「改良を重ねてた品種」
㋒ある動作をしてもとに戻る。…しに行って帰る。「買い物に行ってくる」「外国の事情をつぶさに見てようと思っている」
㋓ある動作・状態をそのまま続けながら、こちらへ近づく。また、そのようにしてこちらへ至る。「敵が押し寄せてくる」「付き添ってくる
[補説](1) 古くは「からうじて大和人むと言へり。よろこびて待つに」〈伊勢・二三〉のように、行く意で用いられる場合がある。これは目的地に自分がいる立場でいうのであって、結果としては1と同じ用法。現代でも、相手に向かって「あすの同級会にはますか」という言い方をすることがあるのも、これと同じ発想。(2) 命令形は、古くは「いづら、猫は。こち率(ゐ)て」〈更級〉のように、「こ」だけの形が用いられ、「こよ」が用いられるのは中世以後。(3) 4㋐は、多くぐあいの悪いことが起こる場合に用いられる。
[下接句]呆(あき)れが礼に来る頭に来る鴨(かも)が葱(ねぎ)を背負(しょ)って来る尻(しり)が来る鶏冠(とさか)に来る盆と正月が一緒に来たよう矢でも鉄砲でも持って来い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

きたる【来る】

( 連体 )
〔動詞「きたる」の連体形から〕
月日の上に付いて、「近いうちにくる」「この次にくる」「次の」の意を表す。 ↔ 去る 「 -三月一〇日の投票日には」

くる【来る】

( 動カ変 ) [文] カ変 く
話し手のいる方へ近づく。
(話し手と動作者とが別の場合)話し手が今いる場所、または話し手の領域にやってくる。自分のいる方に接近・到着する。 「こっちへこい」 「客がくる」 「やっと電車がた」
(話し手と動作者とが同一の場合)話し手の今いる地点を現在以外の時に訪れる。やってくる。 「一〇年前に一度たことがある」 「この道はいつかた道」 「あしたまたくるよ」
動作者が、話し手とともに移動する。目的地に自分を置いた気持ちでいう場合には「行く」で表現することも可能。 「映画を見にいく所なんだけど一緒にないか」 「あしたのハイキング、あの人もくるの」
物が運ばれて、話し手のもとに到達する。 「ミロのビーナスが今度また日本にくるそうだ」 「やっと返事がた」 「先月発注した品物がまだない」
風・光などが話し手の方に到達・接近する。また、地震・雨などの自然現象が話し手のいる場所に起こる。 「いい風がくる」 「電波のくる方向にアンテナを向ける」 「このへんで一雨てくれるといいのだが」
時間が経過して、その季節・時期・順番になる。 「春がた」 「もうすぐ返済の期限がくる」 「やっと私の番がた」
ある事態が出現する。
事態が進行して、ある段階にたち至る。 「体力はもう限界にている」 「交渉は土壇場にて難航している」
(「そこへきて」「…の所へきて」の形で)ある悪い事態の上にさらによくない事態が積み重なる。そこへ持って来て。 「毎晩残業でくたくただ。そこへてこの暑さだから参った」 「もともと二月は客の少ないところへてこの大雪だ」
(「…からくる」の形で)…がその由来・原因となっている。…のために生ずる。 「英語からた外来語」 「心のゆるみからくる事故」 「風俗習慣の違いからくる誤解」
ある特定の位置を占める。 「句読点が行の頭にないようにする」 「本の目次は普通最初にくる
病気・故障・劣化などの異常が肉体や物のある部分にあらわれる。 「しびれがくる」 「今年の風邪は胃腸にくる」 「体のあちこちにガタがくる」 「飽きのない色と柄」 「かびがた餅」
電気・電話・鉄道・水道などが話し手の方へ通じる。 「村に電気がくる
ある知覚・感覚が生じる。 「鼻にツンとくるにおい」 「ドアのノブに触ったとたん手にびりっとた」 「この写真を見てぴんとた」 「胸にじいんとくる」 「かちんとくる物の言い方」 「どうもしっくりない」
(「よしきた」の形で)承知した。 「よした、まかせておけ」
(「…ときたら」「…ときた日には」「…ときているから」などの形で)あるものを話題にとりあげて示す。 「うちの亭主とたら」 「うまい上に安いとているから、いつも満席だ」 「鯛の刺身に灘の生一本とた日には、こたえられないね」
(「頭にくる」の形で)立腹することを俗にいう。 「また遅れてきたので頭にた」
(「…にくる」の形で)ある人を慕う気持ちがおこる。 「是れ程我等にくる事、何とも合点がゆかぬ/浮世草子・一代女 1
(「腹がくる」の形で)空腹になる。 「少し腹がたわえ/洒落本・通言総籬」
(補助動詞) 動詞の連用形またはこれに「て(で)」の付いた形に付いて、動作が進行し、また、事態が推移する意を表す。
話し手の方へ向かって動作が行われ、その話し手の方へ近づく意を表す。 「少年がこっちへ走ってた」 「蜂が飛んでた」
(すぐに現在地に戻ることを前提にして)別の場所へ行って動作を行う意と、現在地に至る前に別の場所である動作を完了・実現した意を表す。 「台所で変な音がしたからちょっと見てくるよ」 「うちへ帰ってカバンを置いてます」 「出るとき玄関の鍵はきちんと掛けてたはずです」 「いけない、大事な書類をうちに忘れてた」
ある事態が出現し、またある現象が現れる意を表す。 「生まれてくる子供のために」 「なくした本が出てた」
動作が継続・反復されて現在に至るまで続く意を表す。 「生まれてからずうっとこの村で暮らしてた」 「いつも、ひとに迷惑をかけるな、といってたはずだ」
事態が進行してある段階に至る意を表す。 「眠くなってた」 「沖へより潮満ちらし/万葉集 3642
行く。目的地を基準にしていう。 「富士の山びに我がなばいづち向きてか妹が嘆かむ/万葉集 3357
[句項目]

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

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