透化(読み)とうか(その他表記)vitrification

日本大百科全書(ニッポニカ) 「透化」の意味・わかりやすい解説

透化
とうか
vitrification

融成物(メルト)や混合溶液を冷却するときに、一種過冷却状態として結晶をつくらせないようにすると、ガラス質固相が生成する。これを透化またはガラス化という。エナメルや釉(ゆう)ガラスなどはこのようにして生じたガラス質固体の典型である。このようにして生じたガラス質は透明であるがエネルギー的には不安定であり、長時間放置すると結晶質転位することもある。地中に放置されたガラス(古代ガラス)が風化して、銀色金色の遊色を示すのは、部分的に結晶化が進んでいることを意味する。なお、このようにしてガラス質の固体がふたたび結晶化することを失透devitrificationという。失透は加熱するとおこりやすくなり、古くなったガラス管を加熱して細工しようとするおりなどによくみられる。失透したガラスはきわめてもろくなる。

山崎 昶]

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改訂新版 世界大百科事典 「透化」の意味・わかりやすい解説

透化 (とうか)
vitrification

結晶性の物質を溶融し,それを急冷して結晶が析出しないように過冷却の状態にすること。結晶質のケイ石長石ホウ砂,粘土,蛍石,酸化スズなどを溶融・混合し,冷却して無定形のガラス質を得る過程はこの例であり,ショ糖グリセリンなど有機物質にもみられる。
冷却
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「透化」の意味・わかりやすい解説

透化
とうか
vitrification

融解物を急冷して過冷却状態にすると,ガラス状の無定形物質になること。ガラス,釉などはその例である。

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