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過労死等防止対策推進法

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

過労死等防止対策推進法

主な内容は、過労死の実態や対策について報告書(白書)を毎年まとめる▽11月を過労死防止月間にする▽過労状態の人や家族の相談体制を整える▽過労死防止策をまとめた大綱をつくる――など。労使の代表や専門家、遺族が参加した協議会をもうけ、大綱をチェックする。施行は半年以内。超党派による議員立法で提案された。

(2014-06-26 朝日新聞 朝刊 神戸 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

かろうしとうぼうしたいさくすいしん‐ほう〔クワラウトウバウシタイサクスイシンハフ〕【過労死等防止対策推進法】

過労死等の防止に向けた対策の推進を国の責務とし、必要な調査研究・啓発・相談体制の整備・民間団体への支援などを行うことを定めた法律。平成26年(2014)11月施行。過労死防止法

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

過労死等防止対策推進法
かろうしとうぼうしたいさくすいしんほう

国に過労死の防止対策を進める責任があると明記し、過労死のない社会を目ざす法律。超党派の議員立法として2014年(平成26)の通常国会に提案され、同年6月に成立し、同年11月に施行された。平成26年法律第100号。過労死という文言の入った日本初の法律である。略称は「過労死防止法」。本法は過労死を「業務における過重な負荷による脳血管疾患若(も)しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害」と定義。防止対策として(1)過労死実態の調査研究、(2)相談体制の整備、(3)啓発活動、(4)民間団体の活動に対する支援、を規定した。
 調査研究では、過労死の実態や対策に関する過労死報告書(白書)を毎年まとめるよう政府に義務づけており、2014年11月に厚生労働省所管の独立行政法人労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所内に「過労死等調査研究センター」が新設された。また政府や自治体に対し、相談窓口を整備し、民間の団体が行う過労死防止活動を支援することを求めている。加えて、民間の電話相談窓口「過労死・過労自殺110番」や、厚生労働省による「過重労働解消相談ダイヤル」なども実施されている。啓発活動としては毎年11月を過労死等防止啓発月間と定め、さらに防止策をまとめた大綱づくりを政府に義務づけた。ただし、本法は、長時間労働や不規則な勤務体制の規制などには触れておらず、過労死防止対策の実効性をどう高めるかが課題とされている。
 過労死は1980年代後半に社会問題化し、労災認定を求めて国を訴える遺族が相次いだ。2008年には過労死弁護団全国連絡会議が過労死防止に向けた基本法制定を目ざすと決議し、過労死等防止対策推進法の制定にこぎつけた。過労死の労災認定は2014年度まで13年連続で年間100件を超えており、過労などで精神疾患を発症したとして労災申請をした数は2015年度に1515件と過去最高を更新した。[矢野 武]

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