ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
道教の経典を集成したもので、仏教の一切経(いっさいきょう)、大蔵(だいぞう)経に相当する。道教の歴史は後漢(ごかん)末の太平道(たいへいどう)、五斗米道(ごとべいどう)から発するが、仏教の影響下にその教理形成が進展し、経典の数が飛躍的に増加したのは、5世紀以降初唐に至る時期であった。その結果、唐の玄宗の開元(かいげん)年間(713~741)に最初の道蔵『三洞瓊綱(さんとうけいこう)』が編纂(へんさん)された。以後、道教の歴史的展開に伴う経典の増加や、たび重なる戦乱による道蔵の散逸に対応して、宋(そう)・金・元にわたって数次の道蔵編纂と刊行が行われた。現行の道蔵は1444年(明(みん)、正統9)に刊行された『正統道蔵』480函(かん)、5305巻と、1607年(明、万暦35)に続刊された『万暦(ばんれき)続蔵』32函、180巻とをあわせたものである。なお今日一般にみられるのは、1923年から26年にかけて上海(シャンハイ)の涵芬楼(かんぶんろう)が北京(ペキン)の白雲観蔵本をもとに影印した上海版の道蔵である。
現行道蔵は、全体を洞真(とうしん)部、洞玄(とうげん)部、洞神(とうしん)部の三洞と、太玄(たいげん)部、太平(たいへい)部、太清(たいせい)部、正一(しょういつ)部の四輔(しほ)との七部に大別し、さらに三洞それぞれのなかを本文、神符、玉訣(ぎょくけつ)、霊図、譜録(ふろく)、戒律、威儀(いぎ)、方法、衆術、記伝、讃頌(さんしょう)、表奏の12類に細分する。この三洞四輔の分類は、呪術(じゅじゅつ)的な基盤のうえに徐々に道家哲学や仏教教理などを加えて歴史的に形成されてきた道教教理を、洞真部は元始天尊所説の大乗、聖人の教え、洞玄部は太上(たいじょう)道君所説の中乗、真人の教え、洞神部は太上老君所説の小乗、仙人の教えとし、これに四輔を補助的に配して共時的に体系化しようとした初唐の道教教理学の教相判釈に基づくもので、あくまでも歴史的限定性をもった分類範型であった。したがって唐代では教理体系と分類原理との間に高い整合性が存したが、その後の道教教理の展開はおのずから別種の分類原理を必要としている。現行道蔵の経典分類が混乱しているのは、たび重なる散逸・再編の影響もさることながら、この点に最大の原因がある。
[麥谷邦夫]
『窪徳忠著『道教史』(1977・山川出版社)』▽『福井康順著『道教の基礎的研究』(1952・書籍文物流通会)』
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… 中国先秦時代の儒者が彼らの奉ずる〈先王の道〉の教を〈道教〉とよんでいたという《墨子》の記述は,後の漢・魏の時代においても儒教を〈道教〉とよんでいる事例の幾つか見えていること,たとえば《尚書》湯誥篇の孔安国伝〈道教を安立す〉,《三国志》呉書の陸遜伝〈道教を熙(ひろ)め隆(さか)んにす〉など,からも裏づけられるが,儒家の自称する〈道教〉を似て非なるものときびしく批判する《墨子》と同じく彼らの道教を邪偽であると激しく攻撃しているのは,魏・晋の時代に成立して張魯の天師道教団の幹部教育用の講義録であろうと推定されている《老子想爾(そうじ)注》である。〈真道蔵(かく)れて邪文出(い)ず。世間の常の偽伎は道教と称するも皆な大偽にして用うべからずと為す。…
※「道蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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