郷義弘(読み)ゴウヨシヒロ

精選版 日本国語大辞典 「郷義弘」の意味・読み・例文・類語

ごう‐よしひろ【郷義弘】

  1. 鎌倉末期の刀工。初名義広。通称右馬允。越中の人。五郎正宗師事。その刀剣は、吉光、正宗とならび、三作として賞された。正安元~正中二年(一二九九‐一三二五

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「郷義弘」の意味・わかりやすい解説

郷義弘
ごうのよしひろ

生没年不詳。鎌倉末期の刀匠。相州正宗(まさむね)の門人と伝えられる。越中(えっちゅう)国(富山県)松倉郷の住人であるところから、世に松倉郷、あるいは郷とよばれる。「郷」と同音であるところから室町末期ごろから「江」と書かれる(ただし、義弘は大江氏の一族であるので江と書くとの説もある)。現存する有銘作はなく年紀もないが、作風からみて時代はそのころと認められ、技量は地鉄のよさにおいて正宗門人中の第一にあげられる。『享保名物牒(きょうほうめいぶつちょう)』にある稲葉江富田江は現在国宝であり、重要文化財には桑名江、松井江、五月雨(さみだれ)江、村雲江、豊前(ぶぜん)江などがある。

[小笠原信夫]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「郷義弘」の解説

郷義弘 ごう-よしひろ

?-? 鎌倉時代の刀工。
越中(富山県)松倉郷にすんだため郷(江とも)とよばれる。相模(さがみ)(神奈川県)の正宗(まさむね)にまなんだといわれ,江戸時代に正宗,吉光とならび三作と称された。現存する在銘作はなく,いずれも後世に鑑定されたものである。作品に「富田江」「稲葉江」(ともに国宝)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「郷義弘」の意味・わかりやすい解説

郷義弘
ごうのよしひろ

鎌倉時代末期の刀工。通称右馬允。越中国松倉城主桃井氏の家臣であったが,鍛刀を好み,鎌倉に出て正宗 (岡崎正宗) に師事し,その秘法を修得した。正宗,吉光 (→粟田口吉光 ) と並び称される名工。作刀は室町時代以降の武将に愛好された。

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