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郷長 ごうちょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

郷長
ごうちょう

律令制下,郡司の指揮下にあって,1の戸口の検校,農業の奨励,非違の禁察,賦役の催駆などを職務としたもの。霊亀1 (715) 年に,と改められ,令制の里長が郷長と呼ばれるにいたった。郷長には,原則として清正強幹な一般公民の無位者があてられ,有位者の場合は八位以下に限って認められた。その報酬としては雑徭と庸役が免じられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ごうちょう【郷長】

古代日本において郡の下におかれたのおさ。郷は〈さと〉ともいい令の規定では里であり,戸令には〈凡そ戸は五十戸を以て里とせよ。里毎に長一人を置け〉とある。715年(霊亀1),式により里は郷と改称された。それにともない里長もまた郷長と改められた。里=郷は50戸よりなることから,〈五十戸長〉と書いて〈さとおさ〉とする例があり,また7世紀末と思われる事例では〈五十戸造〉の姓を有する者がある。おそらく〈さとのみやつこ〉と読み,里長の前身にあたるものではなかったかと思われる。

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大辞林 第三版の解説

ごうちょう【郷長】

律令制で、郡司の下にあって郷を管理した者。715年の郷里制施行によって、従来の里長が改称されたもの。郷司。さとおさ。 → 里長

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世界大百科事典内の郷長の言及

【郷司】より

…平安中・後期以降中世にみられる地方官。律令制下の郷(もと里)には郷長(もと里長)がおかれていたが,律令制の弛緩にともなってその地位はしだいに低下し,10世紀にはほとんど消滅した。これにかわって登場してくるのが郷司であるといっても大過はないが,当時と呼ばれたものの実態はさまざまなので,その系譜や規模を考慮し,郷司もさしあたり三つの類型に分けてみる必要がある。…

【郷里制】より

…律令制における地方統治制度。京師以外の地方諸国を国・郡(大宝律令以前は評)・里の行政組織をもって統治し,1里を50戸で構成する制度は,遅くとも浄御原令施行のころにはすでに実施されていたが,715年(霊亀1)の式により,従来の里を郷と改め,その郷の下部単位として新しく1郷に2~3の里を設け,郷には郷長,里には里正を任ずることとした。これを郷里制とよぶ。…

【売券】より

… 奈良時代には,公田の売買は禁止され,墾田・園地・宅地の売買は許された。その手続は,まず売主・買主間の売買合意書(辞状,解状(げじよう)などという)が土地所在地の郷長(ごうちよう)に提出され,郷長は審査のうえ,解状の形式でこれを郡へ,郡はこれを国へと上申する。郡・国はこれを審議して,それぞれに許可の文言を記し,その証拠に官印を押捺(おうなつ)した。…

※「郷長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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