都南(読み)となん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都南」の意味・わかりやすい解説

都南
となん

岩手県盛岡市にある一地区。1955年(昭和30)見前(みるまえ)、飯岡(いいおか)、乙部(おとべ)の三村が合併して、紫波郡(しわぐん)の都南村が成立したが、1992年(平成4)盛岡市に編入された。この地区の中央を北上(きたかみ)川が南流している。東北本線、国道4号、東北自動車道が通じ、盛岡南インターチェンジがある。近郊農村であったが、盛岡市のベッドタウン化し、耕地は減少の傾向にあった。岩手流通センター、中央卸売市場などがあり、東北地方北部の流通拠点としての発展を目ざしている。国道沿いには大手企業の支店、事業所が進出。飯岡、乙部地区は野菜、ハウス園芸が盛んである。剣舞(けんばい)の一種永井の大念仏」は国指定重要無形民俗文化財

[川本忠平]

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改訂新版 世界大百科事典 「都南」の意味・わかりやすい解説

都南 (となん)

岩手県中央部,紫波(しわ)郡の旧村。1992年盛岡市に編入。旧村域は東西に細長く,盛岡市の南部に位置する。西部奥羽山脈東部北上高地からなるが,中央部は南流する北上川の沖積地で,岩手流通センター,盛岡貨物ターミナル,盛岡中央卸売市場などがあり,盛岡市の近郊住宅地として発展し,編入された。農業は都市化によって縮小されつつあるが,米作,近郊野菜・リンゴなどの栽培畜産が行われる。大念仏踊は重要無形民俗文化財,シダレカツラは天然記念物に指定されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「都南」の意味・わかりやすい解説

都南
となん

岩手県中部,盛岡市南部の地区。旧村名。 1992年盛岡市に編入。北上川沿岸の沖積地に位置する穀倉地帯。北上川に沿う国道筋はハウス園芸,野菜栽培も行われる近郊農村であった。盛岡市中心からほど近く,同市の都市化進行と 1970年代から 80年代にかけての交通網の発達により,岩手流通センターをはじめ各種施設が造られ,市街化,宅地開発が進行した。編入以前は専業農家の激減,第3次産業就業者の急増と全国的にも顕著な人口増が特色であった。天然記念物の龍源寺のシダレカツラや,都南つどいの森がある。国道4号線,東北自動車道,JR東北本線,東北新幹線などが通る。

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