コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

金鵄勲章 きんしくんしょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金鵄勲章
きんしくんしょう

日本の武功勲章。 1890年2月 11日に制定された。神武天皇の弭 (ゆはず) に金鵄がとまったことにより戦勝したという神話にちなみ,金と古代の兵器をデザインしたもの。功一級から七級までに分れ,終身年金付きで陸海軍軍人に与えられた。日清戦争から太平洋戦争までの間に約 83万人の軍人に授与された。 1940年4月 29日以降年金は一時金に替えられ,第2次世界大戦後廃止。 81年6月名誉回復を求める請願が衆議院内閣委員会で採決された。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

きんし‐くんしょう〔‐クンシヤウ〕【金×鵄勲章】

戦功が特にすぐれた陸海軍人に与えられた勲章。明治23年(1890)に制定、功一級から功七級までの等級があった。昭和22年(1947)廃止。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

金鵄勲章【きんしくんしょう】

日本の旧叙勲制度において〈武功抜群〉とされた軍人軍属に与えられた勲章。1890年の紀元節に制定され,名は,神武天皇の東征故事にちなむ。明治政府の軍備拡張期に,軍人の戦意高揚を期待するものであった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

きんしくんしょう【金鵄勲章】

軍人軍属の戦時における〈武功抜群〉の者に授与された軍人勲章。1890年2月11日の紀元節に制定。清国との戦争に備えて,鎮台組織から新師団編成への改変,陸海軍における軍備拡張など,いわゆる対内的軍隊から対外的軍隊への具体的移行がすすめられた時期にとられた政策の一つ。神武天皇東征の際,天皇の弓にとまった金色のトビ(鵄)が長髄彦(ながすねひこ)の軍卒を眩惑・圧倒したという故事にちなんで制定され,軍人の名誉心をそそろうとするものであった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

きんしくんしょう【金鵄勲章】

武功抜群の陸海軍の軍人・軍属に与えられた勲章。功一級から功七級まであった。1890年(明治23)制定。1947年(昭和22)廃止。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

勲章・褒章がわかる事典の解説

きんしくんしょう【金鵄勲章】

第二次世界大戦まで運用されていた日本の勲章の一つで、武功抜群の軍人・軍属に授与された。1890年(明治23)2月11日の紀元節(現在は建国記念の日)に、皇紀2550年を記念して制定された。その背景には、日清戦争(1894~95年)を前に日本の軍隊が対外的軍隊へと移行する時期にあって、軍人・軍属の地位を高め、士気を昂揚する意図があった。金鵄の名は、神武天皇の東征の際、金色の鵄(トビ)が天皇の弓にとまり、敵の長髄彦(ながすねひこ)の軍勢は目をくらませて降伏したという故事にちなんでつけられた。功一級から功七級まであり、同じ数字の勲等より上位とみなされた。日清戦争中に、受章者には終身年金が与えられることになり、名誉とともに経済的恩典も伴うものとなった。しかし、その後の戦争拡大で国庫が負担に耐えられなくなり、1940年(昭和15)に一時金制となり国債が支給された。敗戦後GHQの指示で廃止され、年金や国債は無効となった。受章者は第二次大戦終了まで約94万人にのぼった。

出典|講談社勲章・褒章がわかる事典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金鵄勲章
きんしくんしょう

武功抜群の軍人・軍属に与えられた勲章。1890年(明治23)に制定。1947年(昭和22)の日本国憲法施行にあたって廃止された。金鵄は金色の鵄(とび)で、神武(じんむ)天皇が長髄彦(ながすねひこ)との戦いで苦戦したおりこの鳥が弓に止まって敵の目がくらんだ機に、これを滅ぼせたという。勲章はこの故事にちなみ、忠勇を奨励する趣旨により制定され、功一級から功七級まであった。1894年(明治27)「金鵄勲章年金令」が制定され、この勲章の階級に応じた終身年金が支給されていたが、1940年(昭和15)4月29日以降に金鵄勲章を与えられた者から、一時賜金国債が交付されるように改められた。最初の受章者は有栖川宮熾仁(ありすがわのみやたるひと)親王(功二級)で、第二次世界大戦終了までに94万0032人(内功一級45人)が受章。これらの年金および一時賜金国債は、1946年以降は無効とされた。[内閣府賞勲局]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の金鵄勲章の言及

【栄典制度】より

…外国の事例としては,イギリスのガーター勲章,フランスのレジオン・ドヌール,ドイツの功労勲章,アメリカの自由勲章,旧ソ連の赤旗勲章などが有名である。日本の事例としては律令制以来の位階を筆頭に,近代では制定順に1875年勲章,81年褒章,84年爵位,90年金鵄(きんし)勲章,1937年文化勲章をあげうる。これら栄典の制度化は日本近代化と密接不可分の関係にある。…

【勲章】より

… これにつづいて,きわめて注目すべき勲章が制定された。金鵄(きんし)勲章である。金鵄勲章は,明治憲法発布の1周年目にあたる1890年2月11日に,〈神武天皇皇業〉をつぐ明治天皇が〈神武紀元2550年〉を記念して,その国土平定の故事にちなんで制定した勲章であり,〈将来武功抜群ノ者〉に授与するものと定められていた。…

※「金鵄勲章」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

金鵄勲章の関連キーワード伊集院 五郎吉田 平太郎栗須 七郎吉井 幸蔵漢那 憲和上村彦之丞生存者叙勲有馬良橘佐藤正栄典戦功

今日のキーワード

アウフヘーベン

ヘーゲル弁証法の基本概念の一。あるものを否定しつつも、より高次の統一の段階で生かし保存すること。止揚。揚棄。→アン‐ウント‐フュール‐ジッヒ →弁証法...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

金鵄勲章の関連情報