鉄天藍石(読み)てつてんらんせき(その他表記)scorzalite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄天藍石」の意味・わかりやすい解説

鉄天藍石
てつてんらんせき
scorzalite

天藍石のFe2+置換体両者の間には広い範囲で連続固溶系が成立する。酸性火山岩、火砕(かさい)岩(火山砕屑(さいせつ)岩)の交代作用産物として、これらを原岩とした広域変成岩の構成成分として、またこれを貫く脈中、あるいは花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に、美しい藍色複錐(すい)状あるいは単斜板状の自形結晶として産する。日本では山口県阿武(あぶ)町から最初の産状のものを産し、ここではほかのアルミニウムカルシウムストロンチウムバリウムなどの含水リン酸塩鉱物と共存する。英名はブラジルの鉱物学者スコルザ(1899―?)Evaristo Pena Scorzaにちなむ。

加藤 昭]


鉄天藍石(データノート)
てつてんらんせきでーたのーと

鉄天藍石
 英名    scorzalite
 化学式   Fe2+Al2[OH|PO4]2
 少量成分  Mg,Mn,Ca,Zn,Ti
 結晶系   単斜
 硬度    6
 比重    3.32
 色     天青藍青
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    不明瞭
       (「劈開」の項目参照

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最新 地学事典 「鉄天藍石」の解説

てつてんらんせき
鉄天藍石

scorzalite

化学組成(Fe2, Mg)Al2(PO42(OH)2の鉱物。天らん石族の鉱物。同構造のMg2置換体である天らん石との間に完全固溶体をつくるが,Feの多い側の産出はまれ。単斜晶系,空間群P21/n, 格子定数a0.715nm, b0.732, c0.714, β119°00′,単位格子中2分子含む。濃紺~青緑色,半透明~不透明,ガラス状光沢。劈開{110}弱。硬度5.5~6,比重3.38。屈折率α1.633, β1.663, γ1.673。二軸性負。多色性顕著。花崗岩ペグマタイト中に不規則粒状,塊状に産する。

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