日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄天藍石」の意味・わかりやすい解説
鉄天藍石
てつてんらんせき
scorzalite
天藍石のFe2+置換体。両者の間には広い範囲で連続固溶系が成立する。酸性火山岩、火砕(かさい)岩(火山砕屑(さいせつ)岩)の交代作用の産物として、これらを原岩とした広域変成岩の構成成分として、またこれを貫く脈中、あるいは花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に、美しい藍色複錐(すい)状あるいは単斜板状の自形結晶として産する。日本では山口県阿武(あぶ)町から最初の産状のものを産し、ここではほかのアルミニウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの含水リン酸塩鉱物と共存する。英名はブラジルの鉱物学者スコルザ(1899―?)Evaristo Pena Scorzaにちなむ。
[加藤 昭]
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