デジタル大辞泉
「輝銅鉱」の意味・読み・例文・類語
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き‐どうこう‥ドウクヮウ【輝銅鉱】
- 〘 名詞 〙 銅の硫化鉱物。黒鉛灰色の金属光沢をもつ。斜方晶系、短柱状、厚板板状結晶。銅鉱床の二次硫化鉱富化帯中にコベリン(銅藍)とともに産する。一次生成のものもある。〔英和和英地学字彙(1914)〕
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輝銅鉱
きどうこう
chalcocite
銅の鉱石鉱物の一つ。二次銅鉱物として、各種銅鉱床酸化帯中に他の二次鉱物(硫化銅や炭酸銅の鉱物)と産し、またまれに超塩基性岩中に初生鉱物として、他の硫化銅の鉱物などとともに産する。自形は斜方(直方)板状~柱状。日本でも産地は多いが、良晶は少なく、静岡県伊豆半島東岸の河津(かわづ)鉱山(閉山)産などが知られるのみである。デュルレ鉱、方輝銅鉱、ロクスビー鉱、阿仁鉱(あにこう)などと外観上酷似し、容易には識別できない。英名はキプロス島産の銅鉱の名称chalcitisに由来する。
[加藤 昭 2016年3月18日]
輝銅鉱(データノート)
きどうこうでーたのーと
輝銅鉱
英名 chalcocite
化学式 Cu2S
少量成分 Se
結晶系 単斜
硬度 2.5~3
比重 5.80
色 黒灰~黒
光沢 金属
条痕 黒灰
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
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輝銅鉱 (きどうこう)
chalcocite
化学組成Cu2Sの鉱物。黒色で金属光沢をもつが,微粒のため不明瞭なことが多い。銅鉱床の二次富化帯に産することが多い。化学組成と産状の類似する鉱物(ダイジェナイトdigenite Cu9S5や阿仁鉱Cu7S4など)との混合物として産することもあり,微粒の場合には相互の区別が困難で,二次富化帯に産する微粒,黒色~青黒色,Cu2S組成に近い鉱物を総称して輝銅鉱と呼んでいる場合もある。これらは世界的に見れば銅の重要な鉱石鉱物であるが,現在日本では産出は少ない。厳密な意味での輝銅鉱は105℃以下で斜方晶系,以上で六方晶系。モース硬度2.5~3,比重5.5~5.8。Cu 80%。
執筆者:由井 俊三
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輝銅鉱
きどうこう
chalcocite
Cu2S 。銅の重要な鉱石鉱物。斜方晶系。金属光沢,鉛黒色,濃青色の錆色を呈す。比重 5.5~5.8,硬度 2.5。 103.5℃以上で六方晶系に転移し,さらに 435℃以上で等軸晶系に転移する。高温では,ダイジェナイト ( Cu7S4 ) ,斑銅鉱との間に連続固溶体を形成。銅鉱石の2次酸化鉱物として普遍的に産するほか,各種熱水鉱床に産する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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輝銅鉱【きどうこう】
金属光沢をもつ黒灰色の鉱物。銅分約80%を含む銅の重要鉱石。組成はCu2S。単斜晶系で産状はふつう塊状。硬度2.5〜3,比重5.5〜5.8,溶融しやすい。中高温熱水鉱床中に産し,また各種銅鉱床の地下水面下などに二次富鉱帯をつくる。1978年閉山した秋田県尾去沢鉱山は後者の例。
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