長山村(読み)ながやまむら

日本歴史地名大系 「長山村」の解説

長山村
ながやまむら

[現在地名]雫石町長山

岩手山の南、葛根田かつこんだ川左岸にあり、東は雫石村、南は上野うわの村。正保国絵図に村名があり、高一八五石余。寛文一一年(一六七一)の繋村肝入館市家留書(瀬川文書)では高一千六〇石余。天和二年(一六八二)の惣御代官所中高村付では蔵入高三一八石余、七ヵ年平均の免二ツ九分二厘七毛。元禄十郡郷帳による〆高は田方九四〇石余・畑方一二三石余。曲物を産し、元文三年(一七三八)の給人書上によれば、漆戸甚五郎は年貢米・大豆役銭と「椀飯物、へりなし、めんつたらい」を徴収、遠藤七右衛門は桶・ひしゃく・折敷・大平などを納めさせている。

長山村
ながやまむら

[現在地名]貴志川町長山

鳩羽はとば山の南に位置し、洪積層の丘陵地帯に広がる。北は西山にしやま村、東は長原ながはら村、西は名草なくさ郡に接する。村のあし池より丸田まるた川の支流町通ちようどおり川渓流が流れ出る。「続風土記」は「名草ノ郡山東ノ荘永山村と東西に相接す、村より坤の方七町許に池あり、世人山東の大池と称す、此池の半を以て郡界とす、南は野上ノ荘高津村に接す、名草ノ郡には永山と書し、当郡に長山と書す、文字異なれとも唱は同し、共に一ツの山の名を取て村名とするなり」と記す。

長山村
ながやまむら

[現在地名]溝口町長山・貴住きずみ

鬼住きずみ(三二八メートル)の北西麓、日野川右岸の河岸段丘上に位置する。北と西は大江おおえ村、南は谷川たにがわ村に接し、中世のものとされる五輪塔が多数存在する。大江川下流の扇状地に耕地が開かれ、拝領高は二〇三石余、本免は六ツ六分。鵜殿氏の給地であった(給人所付帳)。延享三年(一七四六)の巡見使案内手帳(宇田家文書)によると高二四二石余、家数五・人数四四、牛四。

長山村
ながやまむら

[現在地名]豊川市下長山しもながやま

正岡まさおか村の西、洪積台地の舌状端に立地。「三河国二葉松」に長山村古屋敷として、「在三ケ所、岩瀬掃部、同名嘉竹、山本市左衛門」とあるが不詳。村域内の熊野くまの神社は「三河国聞書」享禄元年(一五二八)三月一三日の項に、「長山村若一王子造営、棟札云、大願主牧野民部丞成勝」と記し、「宮島伝記」に「牛久保・長山両村の氏神若一王子権現は牧野家先祖の氏神たるを以て云々」とあるように、牧野氏の氏神社であったらしい。弘治二年(一五五六)の今川義元寄進状(三川古文書)に「参河国牛久保若一王子社領之事」として「右前々牧野民部丞寄附之分五十八文、令新寄進者也」とあり、この頃今川氏の勢力が当地に及んでいたことが知られる。

長山村
ながやまむら

[現在地名]佐原市長山

下総台地北部に位置し、北は大根おおね村。集落は中央部の丘陵地に形成され、水田は丘陵の外周を北流する香西かさい川の谷に広がる。応安八年(一三七五)二月二四日の賢周寄進状(房総古文書雑纂)にみえる「長山村」は当地に比定され、賢周は大竜だいりゆう寺に亡父行宗の毎月の霊供料として村内三段の田地を寄進しているが、同寄進状には沙弥寿歓(国分胤詮)が証判を加えている。慶長四年(一五九九)の矢作領検地では検地高二四七石(「部冊帳」伊能家文書)。村高はほぼ変化なく幕末に至る(旧高旧領取調帳など)。元禄一三年(一七〇〇)頃の下総国各村級分では旗本山岡二氏の相給。

長山村
ながやまむら

[現在地名]一宮町上長山かみながやま

豊川右岸、鵜飼島うかいじま村の対岸にある。本宮ほんぐう山から発するたから川が村域中央を流れる。寛永一三年(一六三六)より幕府領、天和元年(一六八一)鳥羽藩領、享保一一年(一七二六)幕府領、同一七年形原かたのはら(現蒲郡市)陣屋の巨勢氏が支配して明治に至る。

曹洞宗の本宮山松源しようげん院は、大宝二年(七〇二)文武天皇の勅使草鹿砥公宣卿が本宮山中腹字屋所やとこに建立したのに始まるという。

長山村
おとなやまむら

[現在地名]宇治田原町大字岩山いわやま 長山おとのやま

岩本いわもと村の東、信楽しがらき街道沿いに位置し、集落はその北側にある。

元和九年(一六二三)禁裏新御料となった田原郷一五ヵ村の一で、享保一四年(一七二九)山城国高八郡村名帳による村高は一〇九・九三七石。村内の大谷おおたに善生ぜんしよう山は御松茸山として山廻役が置かれていた。明治八年(一八七五)西隣の岩本村と合併し岩山村となったため、「京都府地誌」は両村を合わせて記すが、天保一三年(一八四二)の家数人別寄書帳(長山区有文書)では、戸数三三、人口八五を記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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