デジタル大辞泉 「開」の意味・読み・例文・類語 かい【開】[漢字項目] [音]カイ(呉)(漢) [訓]ひらく ひらける あく あける[学習漢字]3年1 閉じているもの、ふさがっているものをあけ放つ。「開花・開港・開閉・開放・開門/公開・散開・全開・疎開・展開・満開」2 埋もれているもの、人手が加わっていないものを掘り起こす。「開墾・開拓・開発/新開・切開・打開」3 文化が開ける。「開化・開明/未開」4 物事を始める。始まる。「開催・開始・開戦・開祖・開幕/再開」5 数字で、累乗根を求める。「開平・開法・開立」[名のり]さく・はる・はるき・ひら・ひらき 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「開」の意味・読み・例文・類語 ひらき【開】 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひらく(開)」の連用形の名詞化 )[ 一 ] 閉じ、ふさがっている状態を、あけ広げること。また、そのもの。① 開き戸。扉。木戸。[初出の実例]「開きを明て手を突こみ」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)四)② 魚の腹や背を開いたもの。またそれを干したもの。ひらきぼし。〔古今料理集(1670‐74頃)〕③ 物事を始めること。披露。開催。[初出の実例]「献文子が家を造てできた時にその大夫がめでたいと云て室ひらきのいわい云たぞ」(出典:玉塵抄(1563)二六)④ 釈明。弁解。言いひらき。[初出の実例]「長老申さるる様、若輩の旁(かたがた)へひらきを申候へ共、仏法の上更に耳に入るべからず」(出典:信長公記(1598)一二)⑤ 迷い、支障などが晴れること。悟り。[初出の実例]「図法師か軽さ重さを知られたり〈西鶴〉 あの開きでは楽に印可を〈友雪〉」(出典:俳諧・六日飛脚(1679))⑥ 失った生気を回復すること。よみがえること。[初出の実例]「肝をつよく閉ぢましたか夫を針で開(ヒラキ)を付けましたゆゑ」(出典:滑稽本・和合人(1823‐44)初)⑦ 遊興すること。[初出の実例]「ひらきにいこか」(出典:世の中人通例詞見立相撲(1830‐44頃))⑧ 帆船が横風で帆走する時、帆を真艫(まとも)走りの位置より左または右へ片寄せる状態をいう船方ことば。こののばしひろげた状態にある帆を開き帆という。[初出の実例]「横潮の時、風強は難に可逢、殊にひらきの風は大事也」(出典:船行要術(1505)四)⑨ 「ひらきばしり(開走)」の略。〔日本船路細見記(1841)〕[ 二 ] ある位置・場所からの広がりぐあい。また、基準になる数量からの隔たりぐあい。① 身をかわすこと。また、そのときの体の動かしぐあい。[初出の実例]「足取手の内四寸八寸身のひらき」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)四)② 合戦、また婚礼・宴会などの場で、「逃げる」「帰る」「終わる」ということばを忌んでいう忌み詞。解散。退去。終了。おひらき。[初出の実例]「熊野のかたへ御開あて」(出典:明徳記(1392‐93頃か)下)③ 二者の間の数量・価値などの差。隔たり。[初出の実例]「二百貫目のひらき天秤にかけ出し」(出典:浮世草子・西鶴置土産(1693)一)④ 能や狂言で、三足または二足後退しながら、両腕を横に広げる所作。[初出の実例]「わたしは十年やってもまだ開きがうまくいかなくて」(出典:夢の浮橋(1970)〈倉橋由美子〉松の内)⑤ 三味線の撥(ばち)の頭部。弦を弾く扁平な部分。⑥ 囲碁で、三線または四線で、ある石から一定の間隔をあけて打つこと。間隔と形によって二間びらき、大ゲイマびらき、大々ゲイマびらきなどの呼称がある。⑦ 和船の棚板や戸立の取付角度を表わす船大工用語で、鉛直線に対する棚板の傾斜角を一尺につき何寸といって表示するが、これは傾斜角のコサインの真数に相当する。〔山崎豊後流船作方免割法(17C中)〕 かい【開】 〘 名詞 〙① ひらくこと。また、ひらかれたもの。⇔閉(へい)。[初出の実例]「一華の重は五葉なり、五葉の開は一華なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)空華)② 仏語。許すこと。禁ずること(遮)と一緒にして開遮(かいしゃ)という。[初出の実例]「開といふは、ゆるす辺なり」(出典:十善法語(1775)一)③ 仏語。差別して見られていたものに対して、その差別観を捨てること。④ 女陰。また、交合。[初出の実例]「玉茎 〈略〉日本霊異記云紀伊国伊都郡有二一人凶人一不レ信二三宝一死時蟻着二其閉一〈今案是同字也、俗云或以二此字一為二男陰一、以二開字一為二女陰一其説未詳〉」(出典:十巻本和名抄(934頃)二) ひらけ【開】 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひらける(開)」の連用形の名詞化 )① 始まり。出現。[初出の実例]「神代の闢(ヒラ)けに星はうまれ」(出典:暮笛集(1899)〈薄田泣菫〉星)② 文明が進むこと。時勢の進歩発達。[初出の実例]「御国の開けの遅いと云ふは、智慧づきの晩(おそ)かったと云って誹(そし)るので」(出典:古道大意(1813)下) ひらく【開】 〘 名詞 〙 民間暦の中段に記す十二直の一つ。芸事、建築、転居、旅立、結婚、人間関係などのすべての物事について、開始するのに縁起のよい日とされる。開日(ひらくにち)。[初出の実例]「開 者、法蔵開戸日也」(出典:簠簋内伝(14C後頃か)二) びらき【開】 〘 造語要素 〙① 開くこと、また、開くものを表わす。「右開き」「観音開き」など。② 建物・施設などを開設したり、一般に開放する意を表わす。「店開き」「プール開き」など。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「開」の読み・字形・画数・意味 開常用漢字 12画 [字音] カイ[字訓] ひらく・あける[説文解字] [字形] 会意閂(さん)+廾(きよう)。門の両扉を披(ひら)く形。また、かんの木を外す形。〔説文〕十二上に「張るなり」とあり、開張する意。[訓義]1. ひらく、ときはなす、とおす、あける。2. はじまる、うごく、もよおす。3. ひろがる。[古辞書の訓]〔名義抄〕開 ヒラク・ハリヒラク・ホカラカナリ・トク・ユルス・クホ・ツビ 〔字鏡集〕開 ヒラク・アケテ・アカル・トク・ココロツキナリ・ユルス・ハル・ハリ・ツビ・クホ・ホガラカナリ[語系]開khei、(啓)khyei、khiは声義近く、みな啓開の意をもつ。は神祠の扉を手で開く形に従う字である。[熟語]開運▶・開▶・開延▶・開宴▶・開可▶・開呵▶・開河▶・開化▶・開花▶・開喙▶・開懐▶・開豁▶・開緘▶・開巻▶・開関▶・開館▶・開顔▶・開眼▶・開基▶・開境▶・開業▶・開禁▶・開襟▶・開▶・開径▶・開啓▶・開欠▶・開建▶・開戸▶・開悟▶・開口▶・開甲▶・開交▶・開闔▶・開講▶・開合▶・開国▶・開墾▶・開済▶・開歳▶・開載▶・開鑿▶・開山▶・開始▶・開市▶・開肆▶・開示▶・開謝▶・開釈▶・開秋▶・開春▶・開除▶・開奨▶・開城▶・開場▶・開心▶・開成▶・開霽▶・開析▶・開設▶・開闡▶・開爽▶・開創▶・開塞▶・開拓▶・開▶・開端▶・開地▶・開治▶・開張▶・開滌▶・開展▶・開冬▶・開統▶・開動▶・開導▶・開年▶・開納▶・開幕▶・開帆▶・開版▶・開比▶・開眉▶・開闢▶・開敏▶・開府▶・開復▶・開閉▶・開辺▶・開放▶・開▶・開報▶・開▶・開務▶・開明▶・開右▶・開誘▶・開洋▶・開落▶・開立▶・開亮▶・開列▶・開路▶・開朗▶[下接語]開・廓開・豁開・眼開・啓開・公開・広開・鑿開・散開・修開・心開・新開・扇開・剪開・全開・打開・肇開・展開・洞開・半開・帆開・披開・眉開・冰開・開・峯開・旁開・満開・未開・霧開・開・路開 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報