陸封(読み)リクフウ(その他表記)land-lock

デジタル大辞泉 「陸封」の意味・読み・例文・類語

りく‐ふう【陸封】

海、または海と陸水両方生活していた水生動物が、地形変化などにより陸水に封じ込められ、そこで世代を繰り返すようになること。

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精選版 日本国語大辞典 「陸封」の意味・読み・例文・類語

りく‐ふう【陸封】

  1. 〘 名詞 〙 魚などが淡水中に封じ込められること。→陸封型
    1. [初出の実例]「鮭鱒類が、地形の変動などによって陸封されてしまった場合は」(出典:日本沈没(1973)〈小松左京〉三)

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改訂新版 世界大百科事典 「陸封」の意味・わかりやすい解説

陸封 (りくふう)
land-lock

海にすんでいた動物が汽水あるいは淡水の湖沼などに封じ込められた結果,そこで淡水動物として世代を重ねるようになることをいう。甲殻類アミの仲間は大部分が海産であるが,霞ヶ浦などで漁獲されるイサザアミは湖沼で一生を送る種で,海産系遺存種とも呼ばれる。またサケの仲間のように一生の間に淡水と海の間を往復する魚類のなかには,同種でありながら海へ下って海洋で育つものと,淡水中で一生を過ごして世代を重ねるものとがある。前者を走海型(降海型),後者を陸封型と呼ぶ。一般に陸封型は走海型に比べて小型である。ベニザケは淡水で生まれ,1~2年のあいだ湖で生活したのち海へ下る。本種の陸封型がヒメマスで,日本では阿寒湖チミケップ湖に,北アメリカではアラスカ,カナダなどの湖に産することが知られているが,十和田湖や中禅寺湖に移殖されたものも有名。琵琶湖に生息し,全国の河川へ放流されるコアユアユの陸封型である。
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百科事典マイペディア 「陸封」の意味・わかりやすい解説

陸封【りくふう】

一生のうちに海水にすむ時期と陸水にすむ時期とをもつ動物が,地形その他環境の変化によって陸水中に閉じ込められて終生そこで生活すること。無脊椎動物では,霞ヶ浦のイサザアミはアミの,琵琶湖のセタシジミはシジミの陸封型として有名。魚類では,ヒメマスはベニザケの,ヤマメはサクラマスの,コアユはアユの陸封種。一般に小型化の傾向をもつ。
→関連項目アユ(鮎)イワナサケ(鮭)ヒメマスマス(鱒)ヤマメ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陸封」の意味・わかりやすい解説

陸封
りくふう
land-lock

本来は,海洋中あるいは海洋と陸水の両方を生活の場としている動物 (主として魚類) が陸水中のみにとどまり,そこで世代を繰返すようになることをいう。日本の中部以北の湖のヒメマスはベニザケの陸封されたものであり,琵琶湖の小アユも降海するアユの陸封型である。

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