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隈板内閣 わいはんないかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

隈板内閣
わいはんないかく

第1次大隈重信内閣の別称。日本政治史上,最初の政党内閣。 1898年6月 30日~11月8日存続。日清戦争以後,超然内閣でのぞむ従来の藩閥政治はもはや限界に達していた。 98年5月 14日召集の第 12特別議会は同6月7日衆議院の委員会審議において歳入不足を補うための地租増徴案を否決。政府は同日3日間の停会を命じたが,停会明けの同 10日自由,進歩両党は結束し,本会議でもこれを否決した。これにより政局運営はまったく行きづまり,政府は同日衆議院に解散を命じた。一方自由,進歩両党は同 22日合同し,憲政党を組織,政府に対し政局転換を求めることになった。この情勢をふまえて,伊藤博文内閣は総辞職し,後継首班に憲政党の幹部である大隈重信と板垣退助とを推薦した。山県有朋の反対にもかかわらず,結局,藩閥勢力は憲政党に依拠する初の政党内閣たる第1次大隈重信内閣に内閣をゆだねることになった。板垣退助が内相として入閣したので隈板内閣と称する。この内閣自体の役割は第 12議会でみずからが葬り去った地租増徴案の取扱いであったが,文相尾崎行雄の共和演説事件,党内争いなどによって,なすところなく4ヵ月で崩壊した。しかしこの内閣の成立は明治憲法下での政治ないしは議会運営が藩閥政治ないし超然内閣より政党政治ないしは責任内閣制へと進むその後の日本政治の予徴であったといえる。

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百科事典マイペディアの解説

隈板内閣【わいはんないかく】

第1次大隈(おおくま)重信内閣の通称。
→関連項目板垣退助

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大辞林 第三版の解説

わいはんないかく【隈板内閣】

第一次大隈重信内閣の通称。1898年(明治31)、自由党・進歩党が合同して成立した憲政党を中心とする最初の政党内閣。大隈が首相兼外相、板垣退助が内相を務めた。憲政党内における対立、貴族院・元老の圧迫などによりわずか四か月で崩壊。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

隈板内閣
わいはんないかく

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世界大百科事典内の隈板内閣の言及

【板垣退助】より

…95年自由党は第2次伊藤博文内閣と提携し,翌年同内閣の内務大臣にむかえられた。98年6月自由・進歩両党の合同により憲政党が結成され,同党を基礎として第1次大隈重信内閣が成立すると,これに内務大臣として入閣した(隈板内閣)。しかし,党内対立のため内閣はわずか4ヵ月で総辞職。…

【大隈重信】より

…88年外務大臣となり条約改正にあたったが国権論者に反対され,翌年排外主義者による爆弾事件で右脚を失い,辞職した。96年進歩党を結成して党首となり,第2次松方正義内閣の外務大臣となったが,98年6月に板垣退助と憲政党を結成して日本最初の政党内閣(隈板内閣)を組織した。しかしこの内閣は,薩長藩閥ならびに官僚グループの抵抗と党内の自由,進歩両派の対立から,みるべき政策を展開することなく10月に瓦解した。…

【帝国議会】より

…したがって,政党の主要な基盤とされる地主階級の利害に直接かかわる地租増徴法案が提出されると,政党はこれに反対し,第2次松方正義,第3次伊藤博文の両内閣はあいついで退陣を余儀なくされた。しかし,この地租増徴案への反対を機に自由,進歩両党が合同して憲政党を結成し,その多数党を背景に大隈,板垣を中心とする隈板内閣が日本最初の政党内閣として出現すると,特権的な軍部や官僚勢力はこれに反発し,貴族院も議会開会をまって内閣不信任案の提出を企てたが,内閣はそれ以前に内部対立のため崩壊した。こうして日清戦争後には政党の政治的比重は上昇したが,まだ政党独自で政権を担当する条件はなく,政局の不安定が続くなかで元老伊藤博文は国家的政党の結成をめざして1900年に立憲政友会を組織した。…

※「隈板内閣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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