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際物 キワモノ

デジタル大辞泉の解説

きわ‐もの〔きは‐〕【際物】

ある時季のまぎわにだけ売れる品物。正月の羽子板、3月のひな人形、5月の鯉のぼりなど。「際物商い」
一時的な流行をあてこんで作った商品。
演劇・映画・演芸・小説などで、実際にあった事件や流行をただちに取り入れて題材としたもの。「際物小説」

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大辞林 第三版の解説

きわもの【際物】

入用の季節の間際にだけ売り出す品物。正月の門松など。 「 -売り」
その時の流行や好みをあてこんで売り出す品物。
出版・演劇・映画などで、最近の事件・流行などを扱ったもの。読者・観客の一時的な興味をあてこむもの。 「 -出版」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

際物
きわもの

芸能用語。本来は季節に応じたものの意味だが、多く使われるのは演劇、映画などで、社会に発生した事件や流行をすぐ取り入れて脚色した作品をいう。1678年(延宝6)1月、大坂新町・扇屋の遊女夕霧(ゆうぎり)の死を翌2月から荒木与次兵衛座で脚色上演した歌舞伎(かぶき)狂言『夕霧名残(なごり)の正月』がその始まりとされ、当時は「一夜漬(いちやづけ)狂言」ともいった。近松門左衛門の世話浄瑠璃(じょうるり)には、お初徳兵衛の心中事件を3日のうちに脚色したという『曽根崎(そねざき)心中』をはじめ、際物ながら秀作が多い。その後もニュースを喜ぶ大衆の嗜好(しこう)に応じ、浄瑠璃や歌舞伎に多くつくられ、講談でも「際物読み」と称して流行した。今日では一般用語になり、芸能界、出版界などで広く使われるが、普通「際物」というと拙速とみなされ、芸術的に軽視される傾向が強い。[松井俊諭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の際物の言及

【際物師】より

…際物を販売する商人。際物は節物(せつもつ)のことで時節時節のものをいう。…

※「際物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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