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障害者総合支援法 ショウガイシャソウゴウシエンホウ

デジタル大辞泉の解説

しょうがいしゃそうごうしえん‐ほう〔シヤウガイシヤソウガフシヱンハフ〕【障害者総合支援法】

《「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の略称》障害の有無にかかわらず国民が相互人格と個性を尊重し安心して暮らせる地域社会の実現に寄与することを目的とし、障害者・障害児が基本的人権を享有する個人として尊厳ある生活を営めるよう、必要な障害福祉サービス給付や地域生活支援事業などの支援を総合的に行うことを定めた法律。平成17年(2005)年、障害者自立支援法として制定。平成24年(2012)に改正改題

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知恵蔵の解説

障害者総合支援法

障害者や障害児、難病患者が、地域社会において、基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい生活を営むために、福祉サービスの給付や地域での生活支援に関わる人材育成などの総合的な支援を行うことを定めた国の法律。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」。
2005年に制定、06年に施行された障害者自立支援法が、12年に改正・改題された法律で、13年、14年と段階的に施行された。法律の附則で、施行後3年をめどに検討を行うと規定されたため、15年から厚生労働省の社会保障審議会で本格的な見直しが行われ、16年5月に改正法が成立した。改正法は、18年4月から施行される。
障害者総合支援法の前身である障害者自立支援法では、それまで障害の種類ごとに異なっていた福祉サービスを一元化することを定めたが、利用者の費用負担が増えたことなどから障害者団体が反発し、各地で訴訟が起こるなどした。このため、国は障害者団体と協議しながら改正案を作成した。
障害者総合支援法では、次に挙げる点などが、障害者自立支援法から改正されている。(1)支援対象を見直し、これまでの身体、知的、精神障害者に加えて難病患者を追加(対象の難病は、当初は130疾患、その後徐々に増え、16年4月現在で332疾患)、(2)心身の状態に配慮して障害の程度を判断し、必要な支援を示す「障害支援区分」を創設、(3)重度訪問介護の対象を拡大し、共同生活介護(ケアホーム)を共同生活援助(グループホーム)に一元化、(4)福祉サービスなどの提供体制を確保する基盤の計画的整備。
更に、16年に成立した改正法には、65歳を機に介護保険サービスへ移行する障害者の自己負担軽減や、自立支援や就労定着支援などの拡充、外出が難しい障害児の自宅を訪問して発達支援をするサービスの新設などが盛り込まれた。

(南 文枝 ライター/2017年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

障害者総合支援法
しょうがいしゃそうごうしえんほう

平成17年法律123号。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」。2006年施行の障害者自立支援法が 2012年6月に一部改正・改題され,2013年4月,2014年4月に段階的に施行された。障害者基本法の基本理念にのっとり,障害者,障害児,一定の難病難治性疾患克服研究事業が対象とする 130疾患と関節リウマチ)患者が,基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を営むことができるように必要な支援を総合的に行なうことを目的とする。身体障害者,知的障害者,精神障害者,難病患者にかかわらず,障害福祉サービスや公費負担医療などを一元化し共通制度のもとに提供すること,地域生活や就労を支援する事業や重度障害者を対象としたサービスの充実をはかること,公平なサービス利用のため客観的基準(障害支援区分)を採用することなどが含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

障害者総合支援法
しょうがいしゃそうごうしえんほう

障害者が障害の程度や心身の状態などに応じて受けられる福祉サービスを定め、地域社会における日常的な生活を総合的に支援するための法律。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(平成17年法律第123号)。改正障害者基本法を踏まえ、障害者自立支援法の一部を改正し、2012(平成24)年6月成立、2013年4月に施行。
 2000年に制定された社会福祉法は、「個別給付型社会福祉」を脱却して「地域生活支援型社会福祉」を目ざしたが、障害者自立支援法の制定をめぐっては、なお旧来の「個別給付型社会福祉」を期待する考え方があり、サービスに対する一部費用負担(応益負担)に関し異論があった。またこれにかかわる問題では多くの訴訟を抱えるなどしたため、障害者団体との協議機関を設け、その提言を骨格に改正案の立案を進めてきた。
 障害者自立支援法からのおもな改正点は以下の4点である。(1)制度の谷間を埋めるため、障害者の範囲に「難病等」が加えられた。(2)従来の「障害程度区分」を改め、障害の程度の判断に心身の状態を配慮することができる「障害支援区分」を創設した。(3)障害者に対する支援として、重度肢体不自由等で常時介護を要する重度訪問介護の対象を拡大した。共同生活介護(ケアホーム)を共同生活援助(グループホーム)に一元化した。また、障害者の地域での生活に関する支援、啓発活動を拡大した。(4)障害福祉サービス等の提供体制を確保するサービス基盤の計画的な整備を行う。
 また、難病の障害者範囲の追加や重度訪問介護サービスの対象拡大は実現したが、障害福祉サービスのきめ細かな充実、障害支援区分の認定を含めた支給決定の見直しなどの提言の多くは、施行後3年をめどに再検討することになった。
 なお、社会福祉基礎構造改革における(1)措置から契約へ、(2)個人の自立支援、(3)福祉の市場化、(4)競争原理の導入等といった考えに基づき、市町村に一元化して、身体・知的・精神などの障害者種別を超え共通するサービスを提供する、という趣旨は生かされている。障害者の支援に関して、民法における扶養義務の改正(障害者の自立性を尊重し、障害者本人が支払える応能負担制度となるよう、扶養義務者の範囲を再検討すること)、障害基礎年金の拡充(障害者が自立した生活を送るために十分な給付額を再検討すること)など、手をつけられないまま、附則第3条の検討規定にも盛り込まれなかった内容が少なくない。[吉川武彦]

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