集光レンズ(読み)シュウコウレンズ

精選版 日本国語大辞典 「集光レンズ」の意味・読み・例文・類語

しゅうこう‐レンズシフクヮウ‥【集光レンズ】

  1. 〘 名詞 〙 ( レンズは[英語] lens ) 光学器械のうちで、光を集めるために用いられるレンズ、またはレンズ系。焦点距離に比べて口径が大きいのが特徴。映写機、投光器などに用いられる。
    1. [初出の実例]「いわば一冊の本の頁の真中に置かれたひとつの集光レンズのように、あらゆるものを自身にひき寄せ」(出典:観念の自己増殖(1952)〈埴谷雄高〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「集光レンズ」の意味・わかりやすい解説

集光レンズ
しゅうこうれんず

光を望む方向または場所に集中させることを目的とするレンズ、またはレンズ系。像を結ぶことを目的としないので、高級レンズのような厳密さを要求されない。いちばんよく知られているのは、点光源凸レンズ焦点に置いて、平行光線を望む方向に送るコリメーターとよばれる装置に用いられる場合である。そのほか平行光線や発散光線をレンズを使って、その焦点または像点に集める場合もある。

 顕微鏡において試料を強く照らしたり、対物レンズの倍率分解能を発揮させるのに必要な開口数の照明光を得るために、ステージの下にコンデンサーとよばれる集光レンズが取り付けられている。スライドプロジェクター引伸し機では、投影する画像を明るく照らすため、光源と画像との間に集光レンズを用いる。レンズのかわりに反射鏡を使う場合もあり、これは集光鏡といわれる。

[三宅和夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「集光レンズ」の意味・わかりやすい解説

集光レンズ
しゅうこうレンズ
condenser

レンズの一種。単独または複合の凸レンズで,入射光線を収束するレンズ。分散 (拡散) レンズに対して一般にはコンデンサと呼び,光源から発する光を集めて投光する映写機,引伸し機,スポットライトなどに用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android