雷鳥(読み)ライチョウ

デジタル大辞泉 「雷鳥」の意味・読み・例文・類語

らい‐ちょう〔‐テウ〕【雷鳥】

キジキジ科ライチョウ属の鳥。全長37センチくらい。尾は長くなく、丸い体つきで、あまり飛ばない。羽色は夏は褐色、冬は白色になり、雄では目の上に赤い裸出部がある。ユーラシア・アメリカの北部に分布。日本では中部地方の高山生息特別天然記念物。同属にはオジロライチョウ・ライチョウ・カラフトライチョウの3種が含まれ、北半球に分布。 夏》「―や雨に倦む日をまれに啼く/辰之助」→エゾライチョウ
[補説]英語ではターミガン(ptarmigan)またはグロース(grouse)といい、サンダーバード(thunderbird)とするのは誤訳。→サンダーバード

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精選版 日本国語大辞典 「雷鳥」の意味・読み・例文・類語

らい‐ちょう‥テウ【雷鳥】

  1. 〘 名詞 〙 ライチョウ科の鳥。全長約三七センチメートル。雄の夏羽はキジの雌に似て、頭・背面・のど・胸は黒と茶の細かい横斑がある。腹面は白く、尾羽の側方は黒い。目の上に赤い小さな肉冠がある。雌の夏羽は、黄色を帯び、目の上の赤い肉冠はない。冬は雌雄ともほぼ全身白色の羽毛に抜け変わり、あし指先まで白色羽毛でおおわれる。北半球の寒帯に分布し、日本では本州の日本アルプス・白山などの二四〇〇メートル以上の高山帯にだけ生息。植物の葉・実や昆虫を食べる。特別天然記念物に指定。らい。らいのとり。らいけい。いわどり。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「雷鳥のはつねは觜を鳴るならん〈芭蕉〉 汐てる海に鰹孕る〈嵐雪〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)上)

らい‐の‐とり【雷鳥】

  1. 〘 名詞 〙 鳥「らいちょう(雷鳥)」の異名
    1. [初出の実例]「しら山の松の木かげにかくろへてやすらにすめるらいの鳥哉〈後鳥羽院〉」(出典:正治初度百首(1200)鳥)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「雷鳥」の解説

雷鳥 (ライチョウ)

学名Lagopus mutus
動物。キジ科の鳥

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の雷鳥の言及

【雷】より

…武器として石斧を利用しているが,この雷斧の信仰は世界各国に共通である。夕立の際に平素見なれぬ動物がまぎれ出ることが雷獣とか雷鳥とかいう考えを生み出したらしいが,アメリカ・インディアンの間では巨大な鳥が雷鳥として考えられ,そのはばたきによって雷鳴や電光が生ずると信ぜられている。 日本の雷神に関する絵や彫刻は古くから非常に多く残されている。…

※「雷鳥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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