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静脈産業 じょうみゃくさんぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

静脈産業
じょうみゃくさんぎょう

資源・環境問題の重要性が増すなかで登場した,ゴミ,産業廃棄物などの回収と再利用をはかる産業。製造業など製品を供給する産業を「動脈」にたとえ,そのリサイクルを静脈に見立てた。この産業が脚光を浴びているのは,(1) 地球の温暖化など環境保全の面から省資源省エネルギーの必要性が高まっていること,(2) 産業廃棄物やゴミの量の増大が著しく,自治体や国の処理体制の整備が追いつかなくなってきたことがあげられる。再利用を促進するため廃棄物処理法改正やリサイクル法制定も進み,静脈産業の規模は拡大している。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

静脈産業

製品を供給する製造業を「動脈」にたとえるのに対して、産業廃棄物や使い終わった製品などをリサイクルしたり、負荷が少ない形で自然に戻したりする産業を「静脈」にたとえた呼び名。

(2016-05-03 朝日新聞 朝刊 2経済)

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デジタル大辞泉の解説

じょうみゃく‐さんぎょう〔ジヤウミヤクサンゲフ〕【静脈産業】

生産・消費活動から排出・廃棄される不要物を回収し、再生利用・再資源化したり適正に処分したりする産業。動物の循環系で老廃物や二酸化炭素を回収する静脈になぞらえたもの。→動脈産業

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大辞林 第三版の解説

じょうみゃくさんぎょう【静脈産業】

産業廃棄物を処理・加工し、原料や製品として再生産する産業。 → 動脈産業

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

静脈産業
じょうみゃくさんぎょう

廃棄物の処理、処分、再資源化を担う産業。経済活動を人体の血液循環に例え、生産財や消費財(酸素や栄養素を含んだ血液)がメーカー(心肺)から小売りや卸(動脈)を経て消費者(脳や筋肉)へ渡る流れを「動脈経済」、担い手を「動脈産業」とよぶのに対し、消費された廃棄物(役割を終えた血液)をふたたびメーカー(心肺)へ運ぶ担い手を「静脈産業」という。具体的には廃棄物処理業とリサイクル業をさすことが多い。
 高度成長の陰で、公害や産業廃棄物の不法投棄などの環境破壊が次々と起き、天然資源の枯渇問題も重なって、1990年代から大量生産、大量消費への反省から、静脈産業をビジネスとして育成し、循環型社会を築く重要性が日本でも認識されるようになった。
 一般に動脈産業を支援するには規制緩和が有効とされるが、静脈産業を政策的に後押しするには、廃棄物の排出抑制や効率回収につながる規制強化が必要といわれる。日本では、包装容器や建設資材のリサイクル法に加え、2001年(平成13)に家電リサイクル法、食品リサイクル法などを施行。回収資源が価格面などで天然資源と競争できる状況をもたらすグリーン税制導入の必要性も指摘されている。静脈産業をビジネスとして育成するには、動脈産業側の変化も必要とされている。たとえば、製品設計の段階から再資源化しやすい素材や部品を選択、環境にやさしい部品や商品を購入するグリーン調達などの手法が有効とされている。[編集部]

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