(読み)さや

  • ×鞘

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

筆などの穂先を保護するためのをいうが,一般に刀剣などの身を入れる細長い筒をさす。携帯に安全を期し,腐食を防止するのが目的。日本では,弥生時代白木のものがあるが,古墳時代にかなり発達した。以後,特に太刀鞘には,螺鈿 (らでん) ,蒔絵,金,などの飾り金具を施した華麗なものまでつくられ,保存のためには白鞘が用いられるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

刀剣類の刀身の部分を納めておく筒。刀室(とうしつ)。
筆や鉛筆などの先端を保護するためにかぶせる筒。キャップ。
堂・蔵・牢(ろう)などの外囲い。「堂」
値段や利率の差・開き。売り値と買い値との差や、ある銘柄の相場間の値段の開きなどをいう。「でもうける」「利

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岩石学辞典の解説

耐火粘土で,精密なセラミックス容器を焼成する際に,炎やなどの影響から器物を保護するための耐火性容器に用いられる[Arkell & Tomkeieff : 1953].綴りはsaigre, sagre, shragerなどがある.

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世界大百科事典 第2版の解説

,刀,短刀,脇指や槍,薙刀などのの部分を納める筒状容器。刃自身とそれを使用する者を保護するためのものである。日本では1982年,奈良県の唐古・鍵遺跡から石剣の鞘の出土したことが報告されたが,一般には鉄製刀剣類が使用されるとともに普及した。古墳時代には金銅板製を多く見,奈良時代以降は木製下地を塗ったり,革で包んだものが中心となる。この下地は(ほお)を第一とし,遺品もこれが最も多いが,正倉院のものには牟久木(むくぎ)のほか他の木材を使用したと認められる作もある。

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大辞林 第三版の解説

刀剣の刀身の部分を入れる筒。 -を払う
物を保護するためにかぶせる筒。サック。キャップ。
売り値と買い値の差。また、ある銘柄の市場による相場の差。差合い。 -をかせぐ 利-
[句項目] 鞘を取る

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

刀剣類(槍(やり)や薙刀(なぎなた)をも含む)の刀身の刃部を保護するための外装。アジア、ヨーロッパなど諸外国の刀剣鞘には革製、金属製のものもあるが、日本刀の鞘のほとんどは木製漆塗である。用材はホオノキ(朴)で、木のままのものを白鞘(しらさや)(素鞘)、または休め鞘といい、漆塗のものを塗鞘または身鞘という。多くは黒塗で、とくに江戸時代の正式大小拵(ごしらえ)の鞘塗は黒蝋色(くろろいろ)塗と定められていた。そのほか塗鞘には朱塗、青漆、梨地(なしじ)、沃懸地(いかけじ)などさまざまな色塗や、種々の技法を用いた変わり塗のものがあり、変わり塗技術の発達は鞘塗が基礎となったといわれる。『国花万葉記』などに鞘師、鞘塗師(ぬし)の名がみえる。ほかに革包、研出鮫(とぎだしさめ)着など皮で包んだもの、金銅荘(こんどうそう)鞘や蛭巻(ひるまき)鞘のように金属を被せたり、巻き付けたものがある。
 日本刀の鞘には尻(しり)鞘、見せ鞘など特殊なものもあるが、鞘は刀身の大きさや反りによっておのずとその形が定まるため、太刀(たち)、打刀(うちがたな)、小さ刀、飾剣(かざたち)など種類によって鞘の様式もさまざまである。[小笠原信夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 刀剣類の刀の部分を納めておく筒。形状によって丸鞘、平鞘の別がある。また、装飾によって木地鞘、塗鞘、懸鞘(かけざや)の類がある。
※正倉院文書‐天平一〇年(738)周防国正税帳「大刀鞘料馬皮壱張」
※平家(13C前)一一「白柄の長刀(なぎなた)のさやをはづし」 〔詩経疏‐小雅・瞻彼洛矣〕
② 筆や鉛筆などの先端にかぶせて保護するもの。かさ。ふでかさ。キャップ。
※和訓栞(1777‐1862)「さや〈略〉筆のさやは、帽也」
③ 牢屋の外囲い。また、牢屋の二重格子の外にある土間。また、獄舎そのもの。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第三一「少の科て(サヤ)に三年 古里のおははの㒵も見忘た」
④ 雅楽で、笛を入れておく筒。横笛と高麗笛(こまぶえ)と二本を並べて入れるものを二つ鞘、横笛だけを入れるのを一つ鞘という。ただし、神楽笛(かぐらぶえ)には用いない。〔楽家録(1690)〕
⑤ (江戸時代、帳合米(ちょうあいまい)と正米(しょうまい)との差をいう「差違(さい)」から生じた語という) 取引相場でいう語。さやびらき。
(イ) ある値段と他の値段の差額、ある利率と他の利率との差違をいう。〔取引所用語字彙(1917)〕
(ロ) 売り値と買い値との差額をいう。
(ハ) 各銘柄や地域による相場と相場との差違をいう。
⑥ 江戸時代の俗語で、女性の性器。また、妻女。男根を「抜き身」ともいうところから、抜き身を納めるものの意から生じた語。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦八(1758)松「国にさや置てぬきみの江戸住居」
⑦ (「め(目)の鞘(さや)」の略) まぶた。
⑧ 家をいう、盗人・てきや仲間の隠語。〔特殊語百科辞典(1931)〕
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉三「サヤ(家)も豪勢だし」
⑨ 手数料をいう、闇屋仲間の隠語。
※現代風俗帖(1952)〈木村荘八〉現代風俗帖「その間の手数料(サヤ)がこの婦人の商売らしく見え」
[語誌]語源は諸説あるが、刀剣の名称は、植物の呼称にちなむものが多く、「さや(鞘)」も、石製刀子(とうす)を入れた革鞘の形状がエンドウマメなどの莢(さや)に類似しているところから名付けられたものと思われる。他にも、柄が頭に近づくにつれ太くなり先端に玉葱状のふくらみのある金具をつける「頭槌(かぶつち)の大刀」は、蕪(かぶ)に見立てたもの、「蕨手刀(わらびでとう)」は、中子(なかご)が柄となり、先端にゆくにしたがって細くなり先が丸形になっている様子が蕨の芽を出した形に似ているところからつけられた、といった類例が挙げられる。

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世界大百科事典内のの言及

【槍∥鎗∥鑓】より

…同様なもので近畿の弥生時代を中心とする中央部に多いのはサヌカイト製で,細長く,鎬(しのぎ)がある。このうち打製のものは,槍とされたこともあったが,基部に樹皮を巻いたり鞘(さや)を伴うものがあり,短剣である。しかしニューギニアなどには,黒曜石を打ち欠いて長い柄をつけた石槍があり,かならずしも石にかぎらないが,槍と盾(たて)とが基本的な武器としてひろく使われているから,日本の先史時代のもので,短剣とも槍とも断定しがたいものも,いちおう石槍と解されている。…

※「鞘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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