慢性硬膜下血腫(読み)マンセイコウマクカケッシュ

デジタル大辞泉 「慢性硬膜下血腫」の意味・読み・例文・類語

まんせい‐こうまくかけっしゅ〔‐カウマクカケツシユ〕【慢性硬膜下血腫】

軽度の頭部打撲から数週間から数か月の間に、硬膜の間に血液が溜まっていく病気。高齢者の男性に多い。外傷以外に、アルコール多飲動脈硬化などで発症する場合もある。血腫増大にともなって、頭痛・体の片側麻痺言葉のもつれ・物忘れ失禁などの症状が見られる。手術などにより血腫を除去すれば、一般的に予後は良好。→硬膜下血腫急性硬膜下血腫

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家庭医学館 「慢性硬膜下血腫」の解説

まんせいこうまくかけっしゅ【慢性硬膜下血腫 Chronic Subdural Hematoma】

[どんな病気か]
 脳は、外側から硬膜(こうまく)、くも膜(まく)、軟膜(なんまく)の3層の膜で包まれています。このうちの硬膜とくも膜の間の静脈が切れて出血し、血腫(けっしゅ)をつくる病気です。頭の左右両側におこることもあります。
[症状]
 血腫によって脳が圧迫されるために、頭痛、手足のまひ、ぼけ症状、尿失禁(にょうしっきん)などが現われ、放置すると血腫はどんどん大きくなり、脳圧(のうあつ)が亢進(こうしん)して意識障害がおこり、生命にかかわります。
 症状が似ているので脳卒中(のうそっちゅう)とまちがえやすいのですが、CT、MRI、脳血管撮影で診断がつきます。
[原因]
 頭部に外傷を受けてから1~2か月後に症状が現われてくることが多く、記憶に残らないほど軽い外傷でもおこります。
 また、認知症のある人や酒飲みの人では、頭を打ったことを覚えていないことも多く、症状が現われた時期がはっきりしないのが特徴です。
[治療]
 頭に小さな孔(あな)をあけて血腫を吸引し、洗い流します(血腫吸引術(けっしゅきゅういんじゅつ))。場合によっては開頭して、血腫を取り除きます。
 発見が遅れなければ、たいてい後遺症を残さずに治ります。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慢性硬膜下血腫」の意味・わかりやすい解説

慢性硬膜下血腫
まんせいこうまくかけっしゅ
chronic subdural hematoma

脳の表面 (硬膜と脳の間) に静脈性の出血が生じて頭痛や軽いまひを起こすもので,頭部外傷 (ごく軽い打撲でも) の後や,抗凝血薬療法 (血栓をつくりにくくする薬) 中の人に起こりやすい。外傷後,約1ヵ月 (ときに3ヵ月以上) たってから症状が出現することが多い。 CTで確実に病巣を発見でき,手術も簡単で予後はよい。外傷後すぐの CTで異常なしと出ても,ある時期から頭痛が続いて治らないといった場合は,CT検査を受けたほうがいい。なお頭部外傷後の最も恐ろしい合併症は頭蓋骨骨折による硬膜外血腫であるが,こちらは動脈性のため受傷後すぐの CTでも発見される。

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