風俗営業(読み)フウゾクエイギョウ

デジタル大辞泉 「風俗営業」の意味・読み・例文・類語

ふうぞく‐えいぎょう〔‐エイゲフ〕【風俗営業】

客を接待して遊興・飲食をさせたり、設備を設けて射幸的な遊技をさせたりする営業の総称。風営法により規制される。キャバレー・料亭・ナイトクラブパチンコ店ゲームセンターなど。性風俗関連特殊営業とは区別される。
[類語]水商売客商売接客業

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精選版 日本国語大辞典 「風俗営業」の意味・読み・例文・類語

ふうぞく‐えいぎょう‥エイゲフ【風俗営業】

  1. 〘 名詞 〙 風俗営業に関する法律に定めるところの営業をいう。キャバレー・待合・料理店・ナイトクラブ・ダンスホール・喫茶店バー・マージャン屋・パチンコ屋、ゲームセンターなど。都道府県公安委員会許可を必要とする。風俗。〔風俗営業等取締法(1948)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「風俗営業」の意味・わかりやすい解説

風俗営業 (ふうぞくえいぎょう)

一般的には飲食や遊技等を伴う接客行為を行う営業をいうが,何が風俗営業に当たるかは法律で具体的に定められている。第2次大戦前は府県ごとに府県令による規制が加えられていたが,現行憲法の制定に伴い営業の自由に対する規制は法律によるべきこととされ,1948年に風俗営業取締法(1959年の改正で風俗営業等取締法と名称変更)が制定された。同法は,その後12回にわたる改正を経ながら風俗営業に関する一般的な取締法規としての役割を果たしてきたが,昨今における少年非行の激増やセックス産業と呼ばれる新しい営業形態の出現を背景として,84年に大幅な改正が加えられ,名称も〈風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律〉に改められた(1985年2月施行)。同法は,善良の風俗と清浄な風俗環境の保持および少年の健全育成を害する行為の防止のために,風俗営業の規制と義務の適正化を促進することを目的としており,風俗営業および風俗関連営業(後述)に関する多くの規定を定めている。

 旧法は,風俗営業として,キャバレー,待合・料理店,ナイトクラブ,ダンスホール,低照度のまたは区画された狭い客席をもつ喫茶店・バー,麻雀屋・パチンコ屋を定め,これらの営業を公安委員会の許可制の下に置き,許可基準に違反した場合には営業の停止や許可の取消等の行政処分を課すこととしていた。これに対して,現行法は,風俗営業として新たにゲームセンターの類を加えるとともに,許可基準の違反に対して,第一次的には指示等の行政的措置によって営業者の自主的是正を促すシステムに改めた。また,旧法は個室付浴場業,モーテル経営等風俗営業以外の営業に対しても善良の風俗を維持する観点から一定の規制を加えていたが,現行法は,新たにのぞき劇場,個室ヌード等のいわゆる新しいセックス産業も含め,これらの営業を一括して風俗関連営業ととらえ,公安委員会への届出,営業地区および営業時間の制限,法令違反に対する行政処分等の規制措置を定めることとなった。現行法の国会上程に際しては,警察権限の拡大を危惧する声があがり,衆議院段階で政府原案にあった警察職員による書類等の検査関係者への質問に関する規定が削除されるなど一定の修正が加えられたが,なお公安委員会に対して広範な裁量権が付与されている点など現行法に対する問題点も指摘されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「風俗営業」の意味・わかりやすい解説

風俗営業
ふうぞくえいぎょう

キャバレー,待合い,料理店,カフェー,ナイトクラブ,ダンスホール,照度や広さなどが一定基準以下の喫茶店とバー,麻雀屋,パチンコ屋,その他これらに類する設備を設けて客を接待し,遊興または飲食させる営業,およびスロットマシン,テレビゲーム機などを店舗にそなえて遊戯をさせる営業をいう。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (いわゆる風営法) の規制を受け,都道府県公安委員会の許可を受けなければ営むことができない。また構造・設備,営業時間,照度,騒音・振動,広告・宣伝,料金,年少者の立ち入りなどについて規制される。このほか 1984年改正前の風営法においては,個室付浴場,ストリップ劇場などの衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行,ラブホテルなどの同伴宿泊営業,性的好奇心をそそる物品販売業など性風俗に関係する営業を「風俗関連営業」として規制していた。 (→風俗営業法 )

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世界大百科事典(旧版)内の風俗営業の言及

【バー】より

…第2次大戦後は,店のオーナーもしくは支配人としての役割を果たす“ママ”と呼ばれる女性と,“女給”,のちには“ホステス”と呼ばれるようになる女性が,客の話し相手となり,あるいはダンスの相手となって接待サービスを提供しながら酒を飲ませるタイプのバーが,とくに昭和30年代に増加し,折から始まった高度成長時代の日本のサラリーマンに,過酷な労働のあとの遊びと憩いの場を提供するようになった。もちろん他方には,ウィスキーやカクテルなど洋酒そのものを売りものとする専門のバーテンダーのいるバーが皆無であったわけではないが,ふつうバーといえば,〈風俗営業の洋風酒場〉を意味する風潮が一般的となったことは否めない。そして,そこではむしろバーテンダーは脇役にまわり,ママやホステスが顧客接待の主役となった。…

※「風俗営業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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