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風景写真 ふうけいしゃしん scenic photography

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

風景写真
ふうけいしゃしん
scenic photography

広義には自然現象や風景を記録的ないしは鑑賞的に撮影したものをいうが,狭義には風景画の理念に即した写真分野をさす。風景を観察的に記録する傾向,あるいは主観的,心象的に描写する態度,唯美的,造形的に追究する手法などに大別される。

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デジタル大辞泉プラスの解説

風景写真

株式会社ブティック社が発行する趣味・専門誌。風景写真や撮影方法を紹介。偶数月20日発売。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふうけいしゃしん【風景写真】

一般に山や丘,野原や水辺,田園の風景など,四季を通して移り変わるさまざまな自然の景物を主題とした写真をいう。添景としての人物などを取り合わせる場合もあるが,これが主要な対象となるときは,普通,風景写真とはいわない。 写真が発明される以前に,絵画にはすでに〈風景画〉という形式が確立しており,写真が出現した当初,画家や美術に関心を寄せる者が中心となり写真撮影を試みていたから,当然のこととして風景画の様式を追従した風景写真が多く撮られた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

風景写真
ふうけいしゃしん
landscape photography

風景を主題とする写真表現の一分野。写真芸術の主要なテーマとして、歴史的にも早くから発達した。おもに自然界や田園風景、景勝地などの景観美を叙景的に描写したものをいうが、都市や市街地の人工的な景観を主題とした風景写真もある。[平木 収]

歴史

風景写真の歴史をたどれば、フランスの写真発明者ジョセフ・ニセフォール・ニエプスが、写真術の原形ヘリオグラフィによって1826年に撮影した『書斎からの眺め』も風景写真といえよう。また都市の風景としては実用的な写真術の考案者ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが、ダゲレオタイプで撮影したパリ『タンブル大通り』(1839)が最初である。また日本では、上野彦馬(ひこま)の明治初期の撮影と思われる風頭山(かざがしらやま)からの『長崎風景』がもっとも古い。また田本研造(たもとけんぞう)らによる1871年(明治4)に始まった北海道開拓記録の風景写真は、ドキュメンタリー写真ではあるが、みごとなできばえである。
 19世紀を代表する風景写真家のなかでは、パリ大改造期の姿を記録したフランスのシャルル・マルビルCharles Marville(1816―79)、バルビゾン派の精神に傾倒したイギリスのピーター・ヘンリー・エマーソンPeter Henry Emerson(1856―1936)、南北戦争後のアメリカ西部開拓の調査団に加わったティモシー・オサリバンTimothy H. O'Sullivan(1840―82)、ニュー・メキシコのインディオ廃墟(はいきょ)を発見したアメリカのウィリアム・ヘンリー・ジャクソンWilliam Henry Jackson(1843―1942)や西部ヨセミテ渓谷を記録したカールトン・エモンズ・ワトキンスCarleton Emmons Watkins(1829―1916)らがいる。またこの時代は旅行写真家が輩出し、1849年から3年にわたりエジプト、ヌビア、パレスチナを旅したフランスのマキシム・デュ・カンMaxime Du Camp(1822―94)、1863年から3回ヒマラヤ山系を記録したイギリスのサミュエル・ボーンSamuel Bourne(1834―1912)が注目される。
 20世紀の風景写真家としては、アメリカのアンセル・アダムズが雄大かつ繊細な景観描写で世界的な人気を博し、また同じくエドワード・ウェストンはダイナミックな造形美学で、この分野に新たな次元を打ち立てた。日本では芸術写真を志向した風景写真が大正時代末から盛んになり、昭和初期に円熟期を迎える。とりわけ、写真を刹那(せつな)の芸術として『光と其諧調(そのかいちょう)』(1923)を発表した福原信三(しんぞう)や、社会的な視点から近代都市の象徴的な風景に新境地を開いた安井仲治(なかじ)が代表的である。第二次世界大戦後では、大和(やまと)路の写真家として名声をはせた入江泰吉(いりえたいきち)や、華麗な技巧で瀬戸内海の美しさを賛美した緑川洋一(みどりかわよういち)(1915―2001)らの名をあげることができよう。[平木 収]

現代

現代の風景写真は、従来のそれとは異なった、新たな側面が加わり、より多様なものとなっている。とりわけ1980年代のアメリカで提唱された新たな風景写真の概念「ニュー・トポグラフィックス」new topographics(「新・地勢学」の意)は、人間活動やそれを支える意識が、風景、景観とどのようなかかわりをもっているのかを問うものであり、ルイス・ボルツLewis Baltz(1945― )やロバート・アダムズRobert Adams(1937― )らがその代表的な写真家である。
 日本の現代風景写真は、北海道の丘陵を撮り続けた前田真三(しんぞう)(1922―98)、伝統的な自然観照の作品を得意とする竹内敏信(としのぶ)(1943― )らが代表的な写真家だが、異色の風景写真家として、自然景観のなかの人為的構造物が描き出す奇妙な美をとらえた柴田敏雄(しばたとしお)(1949― )、世界中の荒涼たる原野や荒地を丹念に描写する松江泰治(たいじ)(1963― )、都市の闇(やみ)や混沌(こんとん)を熱い風景写真にする金村修(かねむらおさむ)(1964― )らが、国際的な評価を得ている。[平木 収]
『D・ブラウン解説『世界写真全集8 ネイチャー&カントリー』(1984・集英社) ▽重森弘淹編『日本写真全集7 都市の光景』(1987・小学館) ▽重森弘淹・田中雅夫編『日本写真全集8 自然と風景』(1987・小学館) ▽柴田敏雄写真『日本典型』(1992・朝日新聞社) ▽竹内敏信著『桜暦――竹内敏信写真集』(1999・出版芸術社) ▽前田真三写真『前田真三写真美術館』全8巻(1999・講談社) ▽竹内敏信文・写真『竹内敏信の風景写真入門』(2002・小学館)』

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