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近代写真法の創始者の一人L.J.M. Daguerreが発明し,1839年に発表された写真法.銀めっきした銅板をヨウ素蒸気で処理してヨウ化銀をつくり,露光後水銀蒸気で光分解銀像をアマルガム化して定着する.光線の具合で陽画(ポジ)に見えたり,陰画(ネガ)に見えたりする.その後,長い間実用され,日本にも渡来したが現在は用いられていない.しかし,ハロゲン化銀を紙にしみ込ませて感光性を与えたタルボット(Talbot)の写真法とともに,今日の写真法の基礎を与えた記念すべきものである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これらの科学玩具は,やがて発明された写真を絵の代わりに使ったG.ドメニーのフォノスコープphonoscope(1891)でその完成点を見ることになる。 1839年,フランスの画家L.ダゲールが写真を発明し,ダゲレオタイプ(銀板写真)と名づけた。この後,24台の写真機を一列に並べて一つの動き(走る馬など)を連続的に撮影したアメリカの写真家E.マイブリッジから,1枚の乾板に12コマの撮影ができる〈写真銃〉を発明したフランスの生理学者E.マレーらに至るまで〈連続写真〉の試みが盛んに行われた。…
…その開発には当時の化学者や発明家がさまざまな動機のもとに取り組んでいた。銀板写真(ダゲレオタイプ)の発明者L.J.M.ダゲールは,もともと画家でありオペラの背景等のディオラマの作家でもあった。彼の絵はこの時代にふさわしく,きわめて客観的・自然主義的な作風であり,またディオラマも当然のことながら現実再現的な味わいの濃い巧みなもので,どちらも高い社会的な評価を得ていた。…
…写真法が初めて公表された1839年当時使われた感光材料は,銀の板にヨウ素蒸気を当てて作ったもの(銀板と呼ばれる)で,感光物質にはヨウ化銀が用いられた。これはダゲレオタイプ,または銀板写真と呼ばれるが,当時の写真撮影には露出時間が何十分も必要で動体被写体の撮影は困難であった。ちなみに,銀板の感度は現在のISO感度で表すと0.01程度と推定される。…
…生来発明精神旺盛で絵画を色光で照明するジオラマを考案し,1822年パリに興行館を開設して大成功を収めた。一方,ジオラマの絵を描くのに使うカメラ・オブスキュラの焦点ガラスに写る像を感光物質でとらえて記録することを研究し,ついに銀板写真(ダゲレオタイプ)を完成して,39年1月,研究成果をフランス議会に報告した。この写真の発明は同年8月D.F.J.アラゴーによってフランス学士院におけるアカデミー・デ・シアンスとアカデミー・デ・ボザールの合同会議の席上で公表された。…
※「ダゲレオタイプ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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