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当麻曼荼羅 たいままんだら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

当麻曼荼羅
たいままんだら

日本で盛行した浄土三曼荼羅の一つ。唐の善導の『観無量寿経疏』に基づいて構成された観経変相の一形式。阿弥陀浄土図の左右縁と下縁との3辺に区画を設け,左辺観経の序文説話,右辺に十六観のうちの前十三観下辺にうしろの三観を展開した九品 (くぼん) 往生 (来迎) 観の各場面を描くところに特色がある。天平宝字7 (763) 年に中将姫蓮糸で織ったという伝説のある当麻寺蔵の原本は,中国,盛唐時代の綴織の大幅で,現在破損がはなはだしい。鎌倉時代以降,浄土信仰の普及とともに特に重視され,大小の転写本が多数作られた。

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デジタル大辞泉の解説

たいま‐まんだら【当麻曼荼羅】

当麻寺に伝わる阿弥陀浄土変相図。観無量寿経に基づくもので、縦横約4メートル。天平宝字7年(763)藤原豊成の娘法如(中将姫)が蓮糸で織ったという伝説があるが、実際は絹糸の綴(つづ)れ織り。鎌倉時代以降、模本が多く作られた。

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百科事典マイペディアの解説

当麻曼荼羅【たいままんだら】

奈良の当麻寺にある《観無量寿経》の変相図。中央に阿弥陀如来の浄土を表し,下縁に九品来迎(くほんらいごう)図,左右外縁に摩掲陀国頻婆娑羅(びんばしゃら)王入信の物語と阿弥陀の十六観相を描く。
→関連項目浄土変智光曼荼羅

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世界大百科事典 第2版の解説

たいままんだら【当麻曼荼羅】

阿弥陀仏の治める極楽浄土の図相を表した曼荼羅。当麻寺所蔵のものを原本とする。極楽浄土の情景を表す仏画は〈阿弥陀浄土変〉〈極楽浄土変〉〈西方変〉などと呼ばれ,中国では5世紀ごろから浄土教の重要主題として主に絵画によって表現される。これらのうち,とくに《観無量寿経》の教義内容を図解した阿弥陀浄土変を〈観無量寿経変〉(略して観経変)という。当麻曼荼羅は日本で最も広く流布した観経変の一つで,奈良時代にさかのぼる原本を伝える。

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大辞林 第三版の解説

たいままんだら【当麻曼荼羅】

当麻寺にある阿弥陀浄土変相図。縦横約4メートル。観無量寿経に基づき、天平年間(729~749)藤原豊成の娘の法如(中将姫)が蓮糸を用いて一晩で織ったという伝説があるが、絹糸が用いられている。破損がいちじるしい。鎌倉時代から多くの模写本が作られた。国宝。

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世界大百科事典内の当麻曼荼羅の言及

【当麻寺】より

…1180年(治承4)の兵乱で金堂が大破,講堂が炎上した。金堂は84年(寿永3),講堂は1303年(嘉元1)に再建されたが,この災害復興期から,当寺は阿弥陀浄土変(当麻曼荼羅)を中心とした寺となっていった。 当寺に施入された曼荼羅に対する信仰は,浄土教信仰の興隆や中将姫伝説と深く結びついているが,1161年(応保1)曼荼羅堂大改造の前後より高まり,鎌倉時代になってとくに盛んとなった。…

【中将姫】より

…当麻(たいま)寺の曼荼羅(まんだら)を織ったとされる伝説上の女性。中将姫の物語を要約すると,継子虐待と当麻曼荼羅の由来にしぼることができる。継母の讒言(ざんげん)を信じた父横佩(よこはぎ)の右大臣豊成の命によって雲雀山で殺されることになった中将姫は,臣下夫婦にかくまわれて命をつなぐ。…

【奈良時代美術】より

…今わずかに《法華堂根本曼荼羅》(ボストン美術館。東大寺法華堂旧蔵),綴織《当麻曼荼羅》(当麻寺)に往時をしのぶことができる。前者は麻布に描かれ,山水を背景に釈迦の左右に菩薩,比丘形がめぐる,法華経に説く霊鷲山(りようじゆせん)説法図が描かれている。…

【念仏】より

…日本では奈良時代から平安時代中期にかけて観想念仏が盛んであり,観想のために阿弥陀浄土変相図がつくられた。智光曼荼羅,当麻(たいま)曼荼羅などがそれである。平安時代初期に最澄の弟子円仁(えんにん)が,唐の法照(ほつしよう)がはじめた五会(ごえ)念仏の流れをくむ五台山念仏三昧法を比叡山に移し,常行三昧(じようぎようざんまい)を修したが,五会念仏は5種の音声からなる音楽的な称名念仏であった。…

※「当麻曼荼羅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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