飯舘村(読み)いいたてむら

日本歴史地名大系 「飯舘村」の解説

飯舘村
いいたてむら

面積:二三〇・二四平方キロ

太平洋沿岸部の浜通り北部、相馬市と原町市によって三区分された相馬郡の中央部西側に位置し、東は原町市・鹿島かしま町、北は相馬市・伊達郡霊山りようぜん町、西は同郡月舘つきだて町・川俣かわまた町、南は双葉郡浪江なみえ町。阿武隈高地北部の標高平均四五〇メートルの高原地帯で、村域西端中部の花塚はなづか(九一八・五メートル)を最高峰とする比較的なだらかな山地が大部分を占め、北部を真野まの川、中南部を新田にいだ川とその支流飯樋いいとい川・比曾ひそ川が東流し、これらの流域に耕地と集落が開ける。村域の西部をほぼ南北に国道三九九号が縦断し、これと交差して中央部を東西に県道川俣―原町線が走る。阿武隈高地の高冷地帯に立地するため、近世には馬産や製炭によって生計を立てていたが、現在は米のほかに畜産(乳牛・肉用牛)、葉煙草・高原野菜の栽培が主産業で、良質の花崗岩が産出するため採石業も盛んである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典 日本の地域遺産 「飯舘村」の解説

飯舘村

(福島県相馬郡飯舘村)
日本で最も美しい村」指定の地域遺産。
飯舘村は、阿武隈山系北部に位置する高原地帯。総面積230.13k【m2】の約75%を山林が占める。冷涼な気候で度々冷害に見舞われたことから、手間暇惜しまず、丁寧に、心を込めて、相手を思いやるという“までい”と呼ばれる生活文化が育まれ今も残る。「飯舘牛」はブランド牛として知られる。2011(平成23)年3月の東日本大震災による原発事故により村は計画的避難区域に指定されたが、2012(平成24)年8月には村民ひとりひとりの復興を目指す「いいたてまでいな復興計画 第2版」が公開されている

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「飯舘村」の意味・わかりやすい解説

飯舘〔村〕
いいたて

福島県北東部,阿武隈高地にある村。 1956年飯曽 (いいそ) 村と大舘 (おおだて) 村が合体して成立。飯館とも綴る。農林業が主産業。タバコの栽培,米作牧畜も行う。古くから馬産が盛んで馬市でにぎわったが,第2次世界大戦後は衰退し,肉牛,乳牛の飼育が行われる。弱電関係および自動車部品,縫製工場が進出している。豊作を祈願する田植え踊が保存されており,74年には民俗芸能ふるさとに指定された。面積 230.13km2。人口 1318(2020)。

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