養父神社(読み)やぶじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「養父神社」の意味・読み・例文・類語

やぶ‐じんじゃ【養父神社】

  1. 兵庫県養父市養父市場にある神社。旧県社。祭神は倉稲魂尊(うかのみたまのみこと)、谿羽道主命(たにはのみちぬしのみこと)ほか三柱。崇神天皇三〇年、谿羽道主命が創祀したと伝えられる。但馬国三の宮。水谷大社。五社明神。養父の明神。山の口の大神。

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日本歴史地名大系 「養父神社」の解説

養父神社
やぶじんじや

[現在地名]養父町養父市場

養父市場やぶいちば集落の西方、弥高やたか(水谷山)の麓に北面して鎮座し、北を円山まるやま川が流れる。現在は倉稲魂命少彦名命大己貴命・谿羽道主命・船帆足尼命の五柱を祀る。旧県社。「延喜式」神名帳に載る養父郡の「夜夫坐神社」に比定される。社伝によると初めは弥高山を神体山として、山頂に上社、中腹に中社、現社地に下社を祀っていたが、のちに上社・中社を下社に合祭したという。中世以降は水谷みずたに(水谷大社)とよばれ、明治初期に現社名に改めた。現在地元では養父明神あるいは山の口やまのくちの大神ともよぶ。中世以降水谷社とよばれたことについて、「養父郡誌」は奥米地おくめいじ鎮座の式内社水谷神社が当社に混祭され、養父水谷明神と称するようになり、のちには当社を水谷社とよぶようになったのではと推定している。なお中世には水谷神宮寺、近世には真言宗水谷山普賢ふげん寺が当社の別当寺であった。また円山川対岸の大薮おおやぶ地区にある字薬師堂やくしどうは水谷神宮寺の本堂薬師堂の跡地であったとされる(「養父町史」など)

社伝では崇神天皇三〇年の鎮座という。天平九年(七三七)の但馬国正税帳(正倉院文書)に「養父郡養父神戸」とみえ、この租代が「百五束五把」であることや「養父神戸調六匹四丈五尺」を買うために「直稲四百五束」が充てられたことがみえる。「新抄格勅符抄」に引く大同元年(八〇六)の牒によれば養父神の神封は四戸で、但馬国内に充てられていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「養父神社」の解説

養父神社

兵庫県養父市にある神社。“養父”は「やぶ」と読む。旧県社。延喜式内社の「夜夫坐神社」に比定されている。古くは「水谷社」と呼ばれた。地元では「養父の明神さん」とも呼ばれる。祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、少彦名命(すくなびこなのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、谿羽道主命(たにはのみちぬしのみこと)、船帆足尼命(ふなほそこねのみこと)。農業の神として信仰を集める。紅葉の名所。

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世界大百科事典(旧版)内の養父神社の言及

【養父[町]】より

…山間部の農村では和牛(但馬牛)の飼育やブロイラー生産などの多角経営が進められている。養父市場にある養父神社は牛の神,農業の神として信仰を集め,北東部の大藪には6~7世紀ころと推定される140余の古墳群がある。建屋のヒダリマキガヤは樹高30m余の巨木で,天然記念物に指定されている。…

※「養父神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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