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馬印 うまじるし

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

馬印
うまじるし

馬標,馬験とも書く。戦国時代軍陣で武将の所在を明示するために,馬前または馬側に立てた旗,幟 (のぼり) ,纏 (まとい) 。天文年間 (1532~55) の頃から始ったといわれ,ひょうたんに金の錐 (きり) 先は豊臣秀吉の馬印,金の7本骨の扇に日の丸徳川家康の馬印として有名。

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デジタル大辞泉の解説

うま‐じるし【馬印/馬標】

戦陣で用いた標識の一。大将の乗馬の側に立てて、その所在を示す目印としたもの。

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百科事典マイペディアの解説

馬印【うまじるし】

軍陣の記標で,総大将の所在を示す旗幟(きし)。馬標,馬験,馬幟とも書く。戦国時代,鉄砲や長柄の槍(やり)が盛んに用いられるようになると,野戦の方式も変化し,移動の激しい群兵統率や集団戦のため,大将の所在を明示する必要から生まれた。
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世界大百科事典 第2版の解説

うまじるし【馬印】

馬標,馬験とも書く。旗指物の一種で,戦陣において大将の馬の側に立て,その存在を味方に明示するもの。そのために,高く大きく目だつように作られるが,1人の馬印持(旗差)が扱えるほどの大きさが限度。通常,大名は真旗(しんのはた)(自家の軍神の依代)に由来すると思われるより大きい大馬印,自身の指物に由来するより小さい小馬印を,形態を変えて用いた。竹木の長柄の先端に,依代の意義のある〈はた〉,招き・目籠・かざし・玉・笠・傘・団扇,また矢戦の風見に由来する吹抜き,防具の幌,夜間目印の提灯など,各軍団の構成員の識別のために,多種多様の形態をとる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

馬印
うまじるし

近世に流行した軍陣の標識。馬験、馬標とも書く。長柄(ながえ)の先につけ、武将の馬側や本陣に押し立て、その所在を明示した。『甲陽軍鑑』『信長記(しんちょうき)』の記事および諸藩の記録などにより、中世末から近世初頭に発生したものと推測される。当代の大軍による熾烈(しれつ)な戦闘において、彼我を識別し功名を顕示しようとする要求より出たものと解される。大馬印と小馬印の別があり、大馬印は紋章、文様、文字などを染め付けた五幅(いつの)、六幅(むの)四方の乳付(ちつき)の大旗や吹貫(ふきぬき)が多く、物の形をかたどった「作り物」のたぐいもあり、おおむね本陣に据えられた。小馬印は従者が捧持(ほうじ)した武将の指物(さしもの)や槍(やり)の鞘(さや)から転化したものと考えられ、纏(まとい)の称もある。
 布帛(ふはく)、紙、木、竹、鯨のひげ、鳥毛、皮革などを素材とし、金銀箔(はく)、漆、染料、顔料(がんりょう)などで彩色したさまざまの作り物が好まれ、その意匠は大馬印より変化に富み、多彩である。馬印は将軍、旗本、諸侯のほか、細川家の記録に「馬印御免の衆」とあるごとく諸侯の一族重臣が許されて使用した。著名なものに織田信長の金の唐傘(からかさ)、豊臣(とよとみ)秀吉の瓢箪(ひょうたん)、徳川家康の金扇、柴田(しばた)勝家の金の御幣、加藤清正の馬藺(ばりん)、細川忠興(ただおき)の有の字の四方大旗などがある。[山岸素夫]

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世界大百科事典内の馬印の言及

【纏】より

…しかし他と紛れぬように,幟のほかにも作り物を用い,ときには当世具足の背に着けた指物(さしもの)を纏としたので,《甲陽軍鑑》には〈北条家の大道寺九ッ挑灯(ちようちん)のさし物をそえにしてもたする,是によってまとひは北条家よりはじまる〉と伝えている(旗指物)。また竿の先端に趣向をこらした作り物を施し,さらに馬簾(ばれん)といって輪形に切裂(きつさき)を長くたらしたのを加え,これを馬脇の標識とした馬印を纏と呼ぶようになった。この形式の纏は江戸時代になってから軍事組織に準じる消防にあたる者の標具としても用いられ,かくて纏は,必ず馬簾をつけ,上端に〈出し〉という飾物を配し,柄の下部の石突(いしづき)を股(また)として手にかけて持ち,振るのに便利とした(〈火消〉の項を参照)。…

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