駒井卓(読み)コマイタク

デジタル大辞泉 「駒井卓」の意味・読み・例文・類語

こまい‐たく〔こまゐ‐〕【駒井卓】

[1886~1972]動物学者・遺伝学者。兵庫の生まれ。欧米留学T=H=モルガンに師事し、ショウジョウバエ遺伝を研究。日本での進化遺伝学人類遺伝学先駆者となった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「駒井卓」の意味・読み・例文・類語

こまい‐たく【駒井卓】

  1. 遺伝学者。理博。兵庫県出身。東京帝国大学動物学科選科修了京都、東京両帝大の教授、国立遺伝学研究所部長を歴任。日本にダーウィン進化論を紹介し、動物、特に人間に関する遺伝学の研究に業績が多い。日本学士院会員。主著「遺伝学に基づく生物の進化」。明治一九~昭和四七年(一八八六‐一九七二

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「駒井卓」の意味・わかりやすい解説

駒井卓
こまいたく
(1886―1972)

日本におけるショウジョウバエの遺伝学や人類遺伝学の草分け的存在の一人。兵庫県姫路市生まれ。姫路中学から東京高等師範学校博物学科を卒業、1917年(大正6)東京帝国大学理学部動物学科選科修了。1920年京都帝国大学理学部助教授となり、その後、アメリカのコロンビア大学モーガンの下でショウジョウバエの研究を行い、日本におけるこの分野の研究の端緒を開いた。京都大学教授、同理学部長、東京大学教授をも兼任。日本学士院会員、日本学術会議会員、日本遺伝学会長も務め、国立遺伝学研究所部長として、設立まもない同研究所の基礎確立に大きな役割を果たした。甲殻綱口脚類や腔腸(こうちょう)動物のクシクラゲ類、原索動物などの分類学、発生学の研究や、チョウ、ショウジョウバエ、テントウムシなどの昆虫やカタツムリ、ネコさらにはヒトの細胞学および遺伝学的研究に大きな貢献をした。著書に『日本人を主とした人間の遺伝』(1951)、『人類を主とした遺伝学』(1952)、『遺伝学に基づく生物の進化』(1963)、『人類の遺伝学』(1966)など多数がある。

[黒田行昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「駒井卓」の解説

駒井 卓
コマイ タク

大正・昭和期の動物学者,遺伝学者 京都大学名誉教授。



生年
明治19(1886)年5月9日

没年
昭和47(1972)年7月9日

出生地
兵庫県姫路市

旧姓(旧名)
福田

学歴〔年〕
東京高等師範学校〔明治41年〕卒,東京帝大動物学科選科〔大正6年〕修了

学位〔年〕
理学博士〔大正13年〕

経歴
大正9年京都帝大助教授となり、12〜14年欧米に留学。この間、コロンビア大学のT.H.モーガンの下でショウジョウバエ遺伝学を学ぶ。14年から京都帝大教授、のち附属瀬戸臨海実験所長、遺伝学研究所生理遺伝部長を務め、昭和21年名誉教授。25〜31年国立遺伝学研究所生理遺伝部長。学士院会員、日本遺伝学会会長。動物の分類系統学的探求、日本人の遺伝学的調査、動物遺伝学について研究。著書に「ショウジョウバエの遺伝と実験」「日本人を主とした人間の遺伝」「遺伝と家系」「人類の遺伝」「遺伝学に基づく生物の進化」「ダーウィン」「日本人に現われた遺伝性疾患及畸形家系表」(編)などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「駒井卓」の意味・わかりやすい解説

駒井卓 (こまいたく)
生没年:1886-1972(明治19-昭和47)

遺伝学者。姫路市の生れ。旧姓福田。1908年東京高等師範学校,17年東京帝国大学理学部動物学科選科卒。20年京都大学助教授,25年同教授。のち国立遺伝学研究所生理遺伝部長。1923年よりコロンビア大学に留学,T.H.モーガンに学び,ショウジョウバエ遺伝学を日本へ導入。人類遺伝に関心を示し,日本人の遺伝的特性について研究。また集団遺伝学の先駆的研究も行う。日本の遺伝学界をつくりあげた一人。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「駒井卓」の意味・わかりやすい解説

駒井卓
こまいたく

[生]1886.5.9. 姫路
[没]1972.7.9. 京都
遺伝学者。東京高等師範学校で丘浅次郎の指導を受け,東京帝国大学動物学科 (選科) 卒業 (1917) 。欧米に留学 (1923~25) し,T. H.モーガンのもとで遺伝学を学ぶ。京都大学教授 (1925~46) ,同名誉教授,国立遺伝学研究所部長 (1950~56) ,日本学士院会員。主著『日本人の遺伝』。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「駒井卓」の解説

駒井卓 こまい-たく

1886-1972 大正-昭和時代の遺伝学者。
明治19年5月9日生まれ。コロンビア大のモーガンにショウジョウバエの遺伝学をまなぶ。大正14年京都帝大教授。昭和24年国立遺伝学研究所部長。日本遺伝学会会長などもつとめた。人類遺伝学,集団遺伝学の研究で知られる。昭和47年7月9日死去。86歳。兵庫県出身。東京高師卒。旧姓は福田。著作に「遺伝学に基づく生物の進化」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「駒井卓」の意味・わかりやすい解説

駒井卓【こまいたく】

動物学者,遺伝学者。東大動物学選科修了,京大名誉教授。腔腸動物の分類,ショウジョウバエや双生児による遺伝学を研究し,日本における集団遺伝学の確立に貢献した。著書に《日本人の遺伝》《遺伝学に基づく生物の進化》など。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

367日誕生日大事典 「駒井卓」の解説

駒井 卓 (こまい たく)

生年月日:1886年5月9日
大正時代;昭和時代の動物学者;遺伝学者。京都大学教授
1972年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android