デジタル大辞泉
「骨法」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こっ‐ぽう‥パフ【骨法】
- 〘 名詞 〙
- ① 身体の骨ぐみ。骨格。また、骨相。建造物などにもいう。
- [初出の実例]「太子骨法、不二是人臣之相一」(出典:懐風藻(751)大津皇子伝)
- [その他の文献]〔史記‐淮陰侯伝〕
- ② 根本となる規定。基本的な法規。また、一般的に、基礎。基盤。
- [初出の実例]「於二当庄公事法一者、准二旧領諸庄例一、大検注治定以後、細々公事、両方共可レ定二骨法一」(出典:高野山文書‐観応二年(1351)二月一二日・鞆淵庄下司百姓和談起請置文)
- ③ 礼儀、故実などの作法。
- [初出の実例]「就レ中歌舞事已以無二骨法一」(出典:明衡往来(11C中か)上末)
- 「滝口の骨法(コッハウ)わすれじとや、鷹の羽にてはいだりける的矢一手ぞさしそへたる」(出典:高野本平家(13C前)四)
- ④ 芸術、芸事などの神髄。奥儀(おうぎ)。こつ。風(ふう)。
- [初出の実例]「舞童、殊撰二定骨法之輩一、被二献覧一哉」(出典:釈氏往来(12C後)一〇月日)
- ⑤ 「こっぽうようひつ(骨法用筆)」の略。
骨法の語誌
本来の漢語の用法では、身体の骨格の意味を表わしたが、そこから転じて、物事の根本を表わすようになった。特に、中世では、③のように故実や礼儀作法の有り様やしきたりを表わしたり、学問や芸道の根本的な技法や優れた勘の働きや神髄を表わしたりした。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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骨法 (こっぽう)
gǔ fǎ
中国画の用語。5世紀,南斉末の画家,謝赫(しやかく)の画の六法の第二則〈骨法用筆〉に由来する。謝赫は絵画の骨格を形成するものは用筆すなわち線描だと考えた。これは古代・中世の絵画の特質でもあり,線描による明確な輪郭線に,随類賦彩つまり固有色がほどこされた。中唐以降,いわゆる水墨画が成立すると,筆のさまざまなタッチや墨の濃淡の運用で,輪郭線と固有色は否定され,形と色は相対的なものと考えられるようになったが,筆と墨とは楕円の二つの焦点のように,絵画構成の二つの極であり,筆は客観性を,墨は主情的なものをそれぞれ象徴した。たとえ表面にはあらわれなくとも筆すなわち線描は,やはり絵画の骨格を形成するもの,骨法として意識された。
執筆者:山岡 泰造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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骨法【こっぽう】
中国の絵画用語。対象の形態の根源にあるもので,これを把握することが絵画制作上の主眼点とされる。謝赫(しゃかく)の六法の考え方によればその把握の手段は用筆,すなわちデッサン力である。この語は主として人物画についていわれたが,のち絵画全般にわたって適用されるようになり,気韻(精神性・生命感)と直結させる見方も生じた。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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普及版 字通
「骨法」の読み・字形・画数・意味
【骨法】こつぽう(ぱふ)
骨格。また、書画の筆力をいう。〔唐会要、三十五、書法〕太宗嘗(かつ)て
臣に謂ひて曰く、~我(われ)今古人の書を臨するに、殊に其の形勢を學ばず、惟だ其の骨法を求むるに在り。字通「骨」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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