高野悦子(読み)たかのえつこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高野悦子」の意味・わかりやすい解説

高野悦子
たかのえつこ

[生]1929.5.29. 満州
[没]2013.2.9. 東京
映画人。1951年日本女子大学を卒業,1952年東宝に入社。1958年東宝を退社し,日本人としては初めてパリ高等映画学院に留学,1961年卒業。帰国後の 1968年,ミニシアターのさきがけとなる岩波ホール創設に伴い総支配人に就任。1974年,岩波ホールを拠点とする名作映画上映運動「エキプ・ド・シネマ」を東和(のち東宝東和)の川喜多かしことともに主宰。テオ・アンゲロプロスの『旅芸人の記録』O thiasos(1975),ルキノ・ビスコンチの『ルートヴィヒ 神々の黄昏』Ludwig(1972),アンジェイ・ワイダの『大理石の男』Czlowiek z marmuru(1977)など世界の埋もれた名画発掘・上映を続け,海外の映画人とも交流を重ねた。1980年から東京国立近代美術館フィルムセンター運営委員を,1997~2007年同センター初代名誉館長を務めた。1985年に東京国際映画祭企画「カネボウ国際女性映画週間」(東京国際女性映画祭の前身)のゼネラルプロデューサーに就任,27年にわたってその任を務め,映画を通じて国際交流に尽力した。1981年菊池寛賞,1989年芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。2001年勲三等瑞宝章,フランス国家功労勲章を受章。2004年文化功労者に選ばれた。

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百科事典マイペディア 「高野悦子」の意味・わかりやすい解説

高野悦子【たかのえつこ】

岩波ホール総支配人で映画運動家。旧満州(現,中国東北部)出身。姉の夫は岩波書店の社長を務めた岩波雄二郎。日本女子大学家政学部社会福祉学科卒業。1958年に監督を志してパリ高等映画学院に留学。帰国後,衣笠貞之助(きぬがさていのすけ)監督の助手を務め,その後はテレビドラマの演出や脚本を手掛ける。1968年の岩波ホール創立にあたり,義兄の岩波雄二郎に誘われて総支配人に就任。1974年に日本では観る機会が少ない映画上映を目的とする〈エキプ・ド・シネマ〉を川喜多かしことともに主宰。インド映画《大樹のうた》,宮城まり子監督《ねむの木の詩がきこえる》,ギリシア映画《旅芸人の記録》などのヒット作を生んだ。2004年に文化功労者。客席200強の岩波ホールでの興業は,のちに全国に広まるミニシアターの先駆けとなった。著書は《シネマ人間紀行》《私のシネマ宣言》《岩波ホールと〈映画の仲間〉》など多数。

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20世紀日本人名事典 「高野悦子」の解説

高野 悦子
タカノ エツコ

昭和期の詩人



生年
昭和24(1949)年1月2日

没年
昭和44(1969)年6月24日

出生地
栃木県那須郡西那須野町

学歴〔年〕
立命館大学文学部史学科

経歴
昭和42年立命館大学に入学全共闘運動参加する。43年には機動隊の学内導入に対して闘うが、闘争の中で悩み、44年6月24日睡眠薬を飲んで山陰線に身を投じ、20歳の生涯を終えた。その間に大学ノート十数冊に書いた多くの詩を含む日記が遺稿集「二十歳原点」として出版され、ベストセラーとなった。他に「二十歳の原点序章」「二十歳の原点ノート」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高野悦子」の解説

高野悦子(1) たかの-えつこ

1929-2013 昭和後期-平成時代の映画運動家。
昭和4年5月29日満州(中国東北部)生まれ。36年パリ高等映画学院監督科卒。帰国後衣笠貞之助の助手をつとめた。43年岩波ホール総支配人となり,エキプ・ド・シネマを主宰,「大地のうた」「家族の肖像」「八月の鯨」などを紹介する。56年菊池寛賞。平成8年東京都文化賞。9年東京国立近代美術館フィルムセンター名誉館長。16年文化功労者。平成25年2月9日死去。83歳。日本女子大卒。著作に「シネマ人間紀行」など。

高野悦子(2) たかの-えつこ

1949-1969 昭和時代後期の学生運動家。
昭和24年1月2日生まれ。立命館大在学中に全共闘運動に参加,昭和44年6月24日鉄道自殺した。20歳。遺稿集「二十歳の原点」がベストセラーとなり,「二十歳の原点序章」「二十歳の原点ノート」なども刊行された。栃木県出身。

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367日誕生日大事典 「高野悦子」の解説

高野 悦子 (たかの えつこ)

生年月日:1949年1月2日
昭和時代の詩人
1969年没

高野 悦子 (たかの えつこ)

生年月日:1929年5月29日
昭和時代;平成時代のエッセイスト

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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