ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高野悦子」の意味・わかりやすい解説
高野悦子
たかのえつこ
[没]2013.2.9. 東京
映画人。1951年日本女子大学を卒業,1952年東宝に入社。1958年東宝を退社し,日本人としては初めてパリ高等映画学院に留学,1961年卒業。帰国後の 1968年,ミニシアターのさきがけとなる岩波ホールの創設に伴い総支配人に就任。1974年,岩波ホールを拠点とする名作映画上映運動「エキプ・ド・シネマ」を東和(のち東宝東和)の川喜多かしことともに主宰。テオ・アンゲロプロスの『旅芸人の記録』O thiasos(1975),ルキノ・ビスコンチの『ルートヴィヒ 神々の黄昏』Ludwig(1972),アンジェイ・ワイダの『大理石の男』Czlowiek z marmuru(1977)など世界の埋もれた名画の発掘・上映を続け,海外の映画人とも交流を重ねた。1980年から東京国立近代美術館フィルムセンター運営委員を,1997~2007年同センター初代名誉館長を務めた。1985年に東京国際映画祭の企画「カネボウ国際女性映画週間」(東京国際女性映画祭の前身)のゼネラルプロデューサーに就任,27年にわたってその任を務め,映画を通じて国際交流に尽力した。1981年菊池寛賞,1989年芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。2001年勲三等瑞宝章,フランス国家功労勲章を受章。2004年文化功労者に選ばれた。
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