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高野物狂 コウヤモノグルイ

大辞林 第三版の解説

こうやものぐるい【高野物狂】

能の一。四番目物。世阿弥作。旧主の遺児春満しゆんみつ丸が出家して行方をくらましたので、高師たかしの四郎は恨み嘆いて諸国を尋ね歩き、ついに高野山で再会する。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

高野物狂
こうやものぐるい

能の曲目。四番目物。観世(かんぜ)、宝生(ほうしょう)、金剛(こんごう)、喜多(きた)四流現行曲。ただし観世、金剛は明治以降の復曲。世阿弥(ぜあみ)作。世阿弥は『三道(さんどう)』に遊狂物の新作の代表として曲名をあげている。高師(たかし)四郎(シテ)は主君に死別し、遺児の春満(しゅんみつ)(子方)を養育しているが、春満出家の置き手紙が家臣によって届けられる。四郎が幼君の後を慕ってあてのない旅に出る態で前段を終わる。高野山の僧(ワキ)が春満を伴っているところへ、物狂いとなった後シテが現れ再会を果たす。ともに仏道に入る結末と、故郷へ連れ帰る結末との2通りの脚本がある。霊山の描写と求道(ぐどう)の姿が独得の雰囲気をもつ異色の能である。主従の物狂いの能は、ほかにも世阿弥作の『土車(つちぐるま)』がある。[増田正造]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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