(読み)ス

デジタル大辞泉 「鬆」の意味・読み・例文・類語

す【×鬆】

大根牛蒡ごぼうなどのしんにできるすきま。「る」
豆腐・卵などを煮すぎたためにできる多数の細かい穴。鋳物などに急に高い熱を加えたときにも生じる。「が立つ」
[類語]まばらちらほらかすかすすかすかかさかさがさがさぱさぱさぱさつく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鬆」の意味・読み・例文・類語

す【鬆・巣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大根、牛蒡(ごぼう)蓮根(れんこん)などの、時期がすぎて、みにできるすきま。また、食品、植物、その他の組織などに、処理が悪かったため生じる多数の穴。〔羅葡日辞書(1595)〕
    1. [初出の実例]「白き物こそ黒くなりけれ 象牙をはひきわりぬればすのありて〈慶友〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一七)
    2. 「コノダイコンニワ su(ス)ガ イッテイル」(出典:改正増補和英語林集成(1886))
  3. 筒状のもの。また、その中空の部分。
    1. [初出の実例]「Ethmoides〈略〉ハナノ su(ス) すなわち、アナ〈訳〉鼻孔」(出典:羅葡日辞書(1595))
    2. 「青や赤の縞になったのをこっきり噛み折って吸ってみると鬆(ス)のなかから甘い風が出る」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉一三)
  4. 鉄砲の筒の穴。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  5. 意図に反して鋳物の中にできた空洞。おもに鋳造の際、ガス抜きが悪かったため生じるもの。鋳巣。
    1. [初出の実例]「水底やさながら月の鏡のす〈貞盛〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鬆」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音] ショウ・ソウ
[字訓] みだれる

[字形] 形声
声符は(松)(しよう)。古い用例はなく、宋・元以来の語。書画技法品格を評するときに用いる。結体の緊密なものに対して、その緩なものを疎鬆のようにいう。もと髪のみだれそそけたさまをいう語であろう。古くは(そう)声にその意があり、椶・にその義を含む。・宗はその代音であろう。

[訓義]
1. みだれる、髪がみだれる。
2. あらい、ゆるい、しまりがない。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕鬆 ミダレガミ

[語系]
鬆はziongの声であろう。また、tzong、宗tzumと声が近い。は乱れ髪の凶悪の相をいう字であるらしく、椶・はその声義をうける字と思われる。

[熟語]
鬆円鬆開鬆放
[下接語]
花鬆・粗鬆・泥鬆・土鬆

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android