鬼谷子(読み)キコクシ

デジタル大辞泉 「鬼谷子」の意味・読み・例文・類語

きこく‐し【鬼谷子】

中国戦国時代思想家縦横家の一人。鬼谷(山西省)に住んだのでこの名がある。蘇秦そしん合縦がっしょう策を、張儀ちょうぎ連衡れんこう策を教えたといわれる。姓名生没年・事績未詳。鬼谷先生
縦横学の書。1巻。鬼谷子の撰とも、後世偽作ともいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鬼谷子」の意味・読み・例文・類語

きこく‐し【鬼谷子】

  1. 中国、戦国時代、楚の縦横家。姓名、伝ともに不詳。隠棲した鬼谷(山西省沢州府内)の地名からこう呼ばれる。蘇秦・張儀の師と伝えられる。画題一つ。鬼谷先生。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鬼谷子」の意味・わかりやすい解説

鬼谷子
きこくし

中国、戦国時代の楚(そ)の思想家。またはその著書。彼は縦横家(じゅうおうか)の蘇秦(そしん)や張儀(ちょうぎ)の師と伝えられ、鬼谷先生とも称される。鬼谷とは本来、穎川(えいせん)陽城の地方名であるらしい。事跡は不明で、姓名を王詡(おうく)となすのは後世の捏造(ねつぞう)にすぎない。『鬼谷子』なる書は『漢書(かんじょ)』芸文志(げいもんし)にはみえず、『隋書(ずいしょ)』経籍志に至って初めて著録される。蘇秦の仮託、蘇秦と張儀の遺著からの抜粋編集ともいわれるが、おそらくは魏晋(ぎしん)のころの偽作であろう。現行本は、闔(ひこう)、反応、内揵(ないけん)、抵巇(しぎ)、飛箝(ひかん)、忤合(ごごう)、揣(し)、摩、権、謀、決、符言、本経陰符七術、持枢、中経の15編からなり、その大半が説得権謀の術を主題とする。なお、符言編は、『管子(かんし)』九守編の文章と重複する。

[伊東倫厚 2015年12月14日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「鬼谷子」の意味・わかりやすい解説

鬼谷子 (きこくし)
Guǐ gǔ zǐ

中国の書名縦横家著作に取材し,その祖である鬼谷先生に仮託した後世の偽書本書眼目は〈人を制するを貴んで,人に制せらるるを貴ばず〉という点にある。そこで,利害好悪にとらわれた功利的な人間の織りなすもろもろの心理的・社会的実相を洞察し,そこに把握された人間心理や政治社会の必然的原理にのっとった,相手を意のままに制しうる絶対的な〈術〉の運用を論ずる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鬼谷子」の解説

鬼谷子 きこくし

?-? 江戸時代中期の卜占(ぼくせん)家。
江戸浅草馬道で鍼(はり)治療を業とする。雲などの自然現象をみて吉凶をうらなうのを得意とした。安永年間(1772-81)には100歳をこえていたという。根岸鎮衛(やすもり)の随筆集「耳嚢(みみぶくろ)」にその逸話がしるされている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鬼谷子」の意味・わかりやすい解説

鬼谷子
きこくし
Gui-gu-zi

中国古代の縦横家の書。著者は蘇秦や張儀が学んだ鬼谷先生といわれるが,その実在は疑わしく,この書も後代の編纂らしい。戦国間の和戦に関する謀略,兵法について説いている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

占い用語集 「鬼谷子」の解説

鬼谷子

中国の春秋戦国時代(紀元前770年~前221年)の、四柱推命や断易の歴史の中で知られる人物。仙人であったという伝説もある、断易を作り上げたといわれる人物のため、断易のことを『鬼谷易』とも呼ぶ。

出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android