那須火山帯(なすかざんたい)とほぼ並走し、東日本の日本海側に分布する第四紀(過去約260万年間)の火山帯である。北海道南西海上の渡島(おしま)大島を北端とし、東北地方の岩木山(いわきさん)、寒風山(かんぷうざん)、鳥海山などを経て、新潟県北東部の守門岳(すもんだけ)、浅草岳(あさくさだけ)までは那須火山帯とは別個に走るが、それ以南では両火山帯が接合してしまう。多くが成層火山で、おもに安山岩であるが、渡島大島や男鹿(おが)半島一ノ目潟(いちのめがた)には玄武岩も出現し、那須火山帯に産する玄武岩よりアルカリ(ナトリウム、カリウム)に富む。十数個の火山が含まれ、渡島大島、岩木山、鳥海山は活火山であるが、過去1世紀間の噴火は、鳥海山の1974年(昭和49)だけである。現在では、鳥海火山帯、那須火山帯の名称は地理的分布の意味でしか用いられず、一括して東日本火山帯とされる。
[諏訪 彰・中田節也]
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…この火山帯の諸火山は,那須火山群以北と日光火山群以西では岩質がかなり違い,後者では角セン石安山岩も多く出現する。それで那須火山帯の西側を並走,南下してきた鳥海火山帯がこの火山帯と接合するあたりでは,両者は岩石学的には区別できない。さらに長野県で那須火山帯が富士・乗鞍両火山帯と会合するあたりでは,それらの火山帯の岩石学的性質も互いに似てきて区別しがたい。…
※「鳥海火山帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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