北海道南西部から奥羽(おうう)山脈を経て、長野県北東部に至る第四紀の火山帯。これらの火山はおもに輝石安山岩、デイサイトからなり、北海道の有珠山(うすざん)、岩手県の岩手山(いわてさん)などはアルカリ(ナトリウム、カリウム)に乏しい玄武岩も産する。成層火山が多く、ときに溶岩円頂丘(溶岩ドーム)を伴い、北海道の支笏(しこつ)、洞爺(とうや)、倶多楽(くったら)、東北地方の十和田(とわだ)などでは、多量の火砕流噴出に伴って生じたカルデラ(湖)が形成されている。樽前(たるまえ)、有珠、北海道駒ヶ岳(こまがたけ)、吾妻(あづま)、安達太良(あだたら)、磐梯(ばんだい)、那須、草津白根(くさつしらね)、浅間(あさま)など活発に活動をしている火山が多い。現在では、那須火山帯、鳥海火山帯(ちょうかいかざんたい)の名称は地理的分布の意味でしか用いられず、東日本火山帯として一括される。この場合、那須火山帯は火山フロント(前線)上に配列した火山列である。
[諏訪 彰・中田節也]
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…雌阿寒岳,十勝岳では気象庁が常時火山観測を行っている。
[那須火山帯]
那須岳を盟主とし,北海道南西部から南下して,奥羽山脈を経て,長野県北東部に至る火山帯。東日本火山帯の一部をなす。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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